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読書家の長尾さん

世界最高のプレゼン教室

ビジネス・経済 書評

世界的プレゼンターが、その秘訣を公開 『世界最高のプレゼン教室』(関西外国語大学教授 ガー・レイノルズ)

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より効果的なプレゼンテーション手法をお伝えするとしたら、そして、その手法が、今あなたがお使いのプレゼンメソッドよりも”優れている”としたら、興味はありませんか?

このブログでも何度か書いてきたけれど、「物語を語る」のが情報を伝えるうえで本当に重要なスキルだということは、もはや疑いの余地がない

各界の権威がストーリーを語る重要性を説いていることからも、それは間違いないんだよ

例えば、この本に出てくる例で言うと、世界銀行の経営幹部だったステファン・デニングは「大きな変化を実現するために管理職たちに働きかける時、唯一効果があったのはストーリーを語ることだった」と語っている

世界銀行といえば数字がすべてで、論理と、それを証明するデータを重視する官僚的な組織なんだけど、そんな人ですらストーリーの重要性を主張しているんだよね

つまり物語というのは、データや論理よりも伝達力が強いってこと

その理由として、科学者のケンダル・ヘイブンは「10万年もの間、情報を口頭で伝達してきたため、人間の脳が情報をストーリーで捉えるのに適した構造に進化したからだ」という研究成果を発表している

ストーリーテリングは、今最も求められている最新のスキルなんだ

ストーリー型プレゼンテーションの例

日本ではNHKの「スーパープレゼンテーション」という番組名で紹介されているけど、TEDという世界的に有名なプレゼンテーションイベントがある

2013年に京都でTEDxKYOTOが開催されたときのプレゼンテーションで、著者がこの本の中でストーリーテリングの良い例として紹介している、西倉めぐみ氏(ドキュメンタリー映画監督)の動画を埋め込みで引用して紹介したいと思う

TEDxKYOTOでスタンディング・オベーションを受けた登壇者は、西倉氏と米国人外交官のパトリック・リネハン氏の2人だけだったそうで、この2人はどちらもストーリー型のプレゼンだった

世界中のトップ達は既にストーリーを語ることがいかに重要であるかよく理解している

以前Facebookページだけで紹介したダニエル・ピンク氏の『ハイ・コンセプト』では、今の時代に必要な成功するための6つの能力の1つとして、ストーリーを語る力が挙げられていた

チップ・ハース氏&ダン・ハース氏による『アイデアのちから』でも、記憶に残るメッセージに必要な6つの要素の1つとしてストーリーを持っていること、とされている

ビジネスで決してやってはいけない”退屈なプレゼン”

けれど、ビジネスシーンにおいては不必要なまでに細かいデータの羅列や、退屈な箇条書きの資料が横行しているよね

TEDに登壇するプレゼンターのような、ストーリーに引き込まれるプレゼンテーションにお目にかかれることは、日常ではまだそんなに多くない

特にプレゼンテーションの場では、スライドがそのまま原稿になっていて、プレゼンターは単にそれを読み上げているだけ、という状況もしばしば目にする

例えば、こんなスライドよく見かけるよね(”よくないスライドの例”としてアップロードされていたので紹介)

テーマ3  プレゼンテーション.

さすが”よくない例”とされているだけあって、このスライドを僕は最後までカチカチとクリックしてしまって、興味が湧いて手が止まるところは1ページも無かった

ほとんどすべての人が退屈なプレゼンスライドを作ってしまう理由

なぜこうしたプレゼンになってしまうか、著者はパワーポイントの機能が原因だと分析している

つまり、パワーポイントの初期状態でのマスタースライド(テンプレート)の書式がそうなってしまっているからなんだ

パワーポイントを使ったことがある人ならすぐ思い出せると思うけど、まず最初に大きくタイトルを入力して、その次は見出しの下にいきなり箇条書きを入力するように表示されているよね

もしくは、見出しの下に画像やグラフを挿入する領域が表示されたりする

そりゃみんな箇条書きと不必要に細かいグラフの退屈なスライドになっちゃうわけだよね

著者はこれを「パワーポイントの”死”」と表現している

プレゼンのスライドは、本当は何のためにあるのか?

もちろん、これまでにもこういった退屈なスライドからの脱却は何度となく試みられてきた

たとえば、高橋メソッドなんかもそのうちの1つだ

考案者の高橋氏は単にパワーポイントを持っていなかったからHTMLで巨大な文字を表示してプレゼンすることにしたのがきっかけだそうだけど、「分かりやすい」「伝わりやすい」としてこのスライドの型を支持する人が増え、今では解説書も発売されている

とはいえ、これも充分わかりやすいとは言えない

1スライド1メッセージなので、箇条書きよりはメッセージは伝わるかもしれないけど、図もグラフも一切用いず文字だけなので聞き手に与える影響力が弱いよね

文字だけでは原稿を読み上げているだけと大差ないし、メソッドの内容としては巨大な文字のみで構成する、というテクニックの部分でしかない

かのスティーブ・ジョブズはこう言った
話の内容を十分に把握しているなら、パワーポイントを使う必要はない

さて、スライドを使う意味って何なんだろう?

パワーポイントの”死”の簡単な治療法

まず退屈なプレゼンから脱却するための1つ目の解決方法は、先ほどから何度も言っているように”ストーリーを語る”こと

この本ではプレゼンテーションに使える”ストーリーの型”が紹介されているので、その型に沿って構成すれば人を納得させるストーリー型プレゼンができるようになるんだ

そして2つ目の解決方法は、スライドをビジュアル化すること

もちろん、この本にビジュアル化のポイントも紹介されているよ

スライドをビジュアル化する4つの効果とその理由

「スライドをビジュアル化する効果は4つある」と著者は語っている

  1. 聞き手の”納得度を深める”
  2. 聞き手の”感情を刺激する”
  3. 聞き手に”ストーリーを語る”
  4. 聞き手に”変化を一瞬で見せる”

つまり、この4つの効果を与えるためにスライドを使うってことなんだ

1. 聞き手の”納得度を深める”

写真や動画を撮影して見せることでリアルな「本物」を見せることができる

「話し手の自分が伝える内容は事実である」という証明をすることで、聞き手の納得度を深めることができる

2. 聞き手の”感情を刺激する”

写真や動画を見せることで聞き手の感情にストレートに訴えることができる

3. 聞き手に”ストーリーを語る”

伝えたい内容の”状況”や”背景”をビジュアルで伝えることで、聞き手はそこにストーリーを感じ取る

4. 聞き手に”変化を一瞬で見せる”

ストーリーの型の中で重要な要素として”変化”がある

登場人物の外的変化・内的変化を描くことがストーリーに必要な要素なんだけど、この”変化”を言葉や文字で伝えるよりもはるかに簡単かつ効果的に見せることができる

ビフォー・アフターを見せれば、伝えたいことを聞き手は瞬時に理解するからね

DVDは絶対に手に入れないと損!

この本もそうだし、ガー・レイノルズ氏を一気に有名にした『プレゼンテーション zen』でもそうだったけど、著者本人の講義DVDが付属しているんだ

このDVDがとにかく参考になるんだよ

なんせ実際に本で解説した構造とテクニックを使って、本の内容を著者本人がプレゼンしている様子を何度も繰り返し見ることができるんだからね

中古本を購入する際は、このDVDが入っているかよくよく確認してほしい
これが入っていない状態で買うのはハッキリ言って損してるよ!

もちろん、新品を買うのが間違いはないと思うけどね

3秒で見返す! 本書のポイント

  1. 各界の権威がストーリーを語る重要性を説いている
  2. ビジネスのプレゼン(問題解決による説得)は特にストーリーテリングが有効
  3. ストーリーには「型」があり、ストーリープレゼンには「型」が必要

1分でわかる! 本書の要約

  1. ストーリーテリング
  2. 話の内容を十分に把握しているなら、パワーポイントを使う必要はない - スティーブ・ジョブズ
  3. これからの時代におけるプレゼンテーションとは、パワーポイントとパフォーマンスアートの中間のようなものだ - リッチ・ゴールド
  4. 人間の脳は、ストーリーに興味を示す
  5. データや論理よりも伝達力が強い
  6. プレゼンには4つのタイプがある
  7. ビジネスシーンでは「ストーリーを語ること」が効果的
  8. ストーリーには「型」がある
  9. 最初に押さえるべき4つの要素
  10. ストーリーに流れと深みを出す
  11. 準備にしっかり時間をかける
  12. 準備段階は”アナログ”で考える
  13. ストーリープレゼンには「型」が必要
  14. アイデアはブラッシュアップ
  15. スライドをビジュアル化する
  16. 効果的な話し方:自分を表現する
  17. プレゼンの終わり際

次回予告

このブログを読んでいる人はデスクワークの人が多いと思う

僕もデスクワーク中心で、しかもメチャクチャ身体が固い

長時間座った後の目・肩・腰の疲労をなんとかしたい! と常々思っていたんだけど、そんなときAmazonのおすすめに出てきたキャッチーな表紙の本を買ってみたらこれが効くのなんの

というわけで次回はストレッチの本を紹介するよ

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