あなたは不思議に思ったことはありませんか? なぜ、一部の人たちは、絵を扱うことに長けているのか?
長いお休みをもらって気力体力充填!
今日からまた毎日コンテンツを配信していくよ
あと今後はブログを中心においたうえで、いろいろなことに挑戦しようと思っているんだ
今後の『読書家の長尾さん』の展開もお楽しみに!
この本を読めば壊滅的に絵心がなくても30分で描けるようになります
さて今回は”イラストをビジネスに活用する”というアプローチの本をご紹介したい
”イラストの描き方”の本じゃなく、”イラストをビジネスに活用する”というところがポイント
前回の記事の最後に次回予告で書いたとおり、実は僕って絵心というものが限りなくゼロに近い壊滅的なレベルなんだよね
ところがそんな僕でも「ああ絵ってそういう考え方で描くのか」「これなら僕でも描けるわ」と納得して、30分でいくつか自由にイラストを描けるようになっていたんだ
まずは”絵を描く”という行為に対して多くの人が抱いているであろう誤解を解くことから始めよう
必要なのは”才能”ではない
絵を描くのに必要なのは”才能”ではない
絵を描く能力は、正しいやり方さえ学べば誰でも身につけられる”スキル”なんだ
もしかすると今までにもどこかで聞いたことがあるフレーズかもしれないね
僕も何度かこのフレーズは見たり聞いたりしたことがあったんだけど、ピンと来なかったんだよね
だって絵を描くってことに対して
「才能が必要ないっていうのは、めちゃくちゃ練習したらってことだよね?」
って思ってたんだもん
絵の基礎をしっかりと勉強して、デッサンしまくって、人体のバランスがどうだとか色々と”勉強”することでやっと描けるようになるんだと思い込んでいたんだよね
そう、思い込んでいたんだ
イラストのビジネス活用には、過去にさまざまな効果的事例がある
思い込みでいうと「ビジネスシーンでお絵描きとかふざけてんの?」とか言っちゃうひとがいそうだよね
まあ自分自身ではそう思っていなくても、なんとなく周りからそう言われてしまいそうで抵抗ある人もいるんじゃないかな
でもイラストをビジネスに活用するのは、過去にさまざまな効果的事例があるんだ
たとえばビジネス本もマンガ化がブームだよね
このブログでも『マンガで読み解く 人を動かす』を紹介したことがあったね
マンガになるとストーリーもつくので、イラスト化に加えてストーリーテリングで伝わりやすく心に残りやすい説明ができるようになっているんだ
クライアントに提出する会社の書類で使うのに抵抗があるなら、社内資料・会議・打ち合わせの場などから使い始めてみるのもいいんじゃないかな
イラストが描けるプロセスは日本語を学ぶのと同じ
ちょっと視点を変えて、こうやってブログに自由に文章を書けるようになるまでのプロセスを振り返ってみたい
- 文字や単語を見ながら書けるようになる
- 見ないで書けるようになると必要なときすぐ書ける
- 単語を組み合わせて表現できるようになる
日本語に限らず、言葉は基本的にこうやって自由に使えるようになるよね
これ、実はそのまんま絵でも同じだったんだ
- 見ながら描ける
- 見ないで描けるようになると必要なときすぐ描ける
- 絵を組み合わせてイメージを自由に描ける
これが本当に目からウロコで、この考え方をマインドセットできたおかげで絵を描くことに対する抵抗やニガテ意識がスッとなくなった
よく考えてみると壊滅的に絵心がない僕でも小学校の頃から描いていたカンタンな絵なら何も見ないで描けるんだよね
もちろん壊滅的なレベルなので線のタッチやバランスなんかはお察しなんだけど、たとえばドラえもんやアンパンマンを描くと誰に見せてもそれがドラえもんやアンパンマンだと分かってもらえる程度ではあるんだよね
つまり僕の絵に対するニガテ意識って、”どうやって描いたらいいかわからない”ところに大きな原因があったと気づくことができたんだ
本当にいろいろなところで文章と共通していて、文章術でも学校でライティング教えてもらっていないので、”どうやって書いたらいいかわからない”からニガテだと思っている人は多い
考えてみると小学校の頃にいた絵の上手い同級生って、よくドラゴンボールの1コマとかエスパークスの文具とか横に置いて真似して描いてたよなあ
ああやって”描き方”を覚えていったから自由に描けるようになっていくんだな
要は小学校のときによくやらされた文字の書き取りと同じってわけだ
イラストレーションの3ステップ
じゃあ具体的にどうやってイラストを描けばいいかの説明をしていこう
この本では”イラストレーションの3ステップ”と呼ばれていて、常にこの3ステップを経ることで、いちど目で見たものすべて自分オリジナルのイラストで自由に描くことができるようになるんだ
- 観察
- デッサン
- デフォルメ
1. 観察
まずは描きたいと思っている対象物を観察するんだけど、この本ではその前に”観察するための自分の状態をつくる”ことが強調されている
状態づくり - 調身・調息・調心
その観察するための状態をつくるために、瞑想つまりマインドフルネスで頭の中をカラッポにして観察しようと作者は提案している
このブログではまだマインドフルネスについて紹介したことがなかったので、Wikipediaから引用してカンタンに説明しておくね
めちゃくちゃ乱暴な説明をしてしまうけど、要するに”ごちゃごちゃ考えるのをやめて雑念を取り払う”ということなんだ
瞑想の実践方法も紹介されていて、この本では調身(姿勢を調える)・調息(呼吸を調える)・調心(気持ちを調える)の3つがポイントだと説明されていた
クリアな状態のアタマとココロで対象を観察しようってわけだね
質問力
描こうとしているものを見ながら、自分自身に2つ質問をしながら観察していく
- 全体のカタチは?
- 部分のカタチは?
この”質問”というのがポイントで、ひとり会議の教科書を紹介したときに出てきた”脳への質問”と同じだ
脳科学者として有名な茂木健一郎氏の『最高の結果を引き出す質問力:その問い方が、脳を変える!』という本のテーマでもあり、このブログで紹介したことがある本の中ではブレイン・ハックにも同じ記述がある
今回紹介しているこの本の中で”質問力”という表現を使用しているあたり、この部分は茂木先生の本を参考にしているとみて間違いないだろう
2. デッサン
次は描きたいものをよく見て、デッサンしていく
デッサンというと構えてしまうと思うけど、全体像を捉えるための下書きをするということだ
本ではステップとして分けて書かれていたけど、実際には観察しながらデッサンすればいいと思う
デッサンなので、後から消せるように鉛筆やシャーペンを使って複数の線でササッと描いていこう
○△□で組み立てる
簡単な下書きでざっくりとした全体像を捉えるために、○△□の単純な図形を組み合わせて大まかな絵を表現する
これもどこかで聞いたことがあるんだけど、絵で描き得るすべてのものは、単純化して分解すると○△□だけで描けてしまうんだそうだ
この本の中でも出てくるんだけど、どうやらマンガの神様と呼ばれる手塚治虫氏が、かつて子供向け雑誌の付録に書いた『まんが描き方入門』という小冊子の中の一説らしい
だから最初は○△□を組み合わせて大まかな絵を描くことで、バランスのとれた絵が描けるようになるそうだ
つまり○△□の組み合わせで描いた”棒人間”に、服を着せたり、髪型をつけたり、ポーズをとらせたりして肉づけをしていけばいいってわけなんだ
生き物以外だともっとわかりやすく○△□の組み合わせが見えてくる
鉛筆やペットボトルなど手元にあるものを観察してみると、それが実感できるはずだ
全体と部分のバランスをとる
全体をざっと描けたら、次は細かい部分を描きこんでいく
何か模様や文字を入れたり、影や感情表現の記号を入れていくのもこの段階だ
必ず”全体→部分”の順で描くことが重要で、部分を先に描いてしまってはいけない
ところでこの部分を読んでいるとき、中学校の頃にどうしてもうまく絵が描けなかったことを思い出したんだよね
人物を描いている途中で手の部分を細かく描きこみはじめてしまったんだけど、描き終わってみると異様に手が大きくなっていたんだ
自分ではバランス取りながら描いてたつもりだったんだけど、これを読んだ後では「間違いなくざっくり全体を先に描かなかったのが原因だなぁ」とつくづく感じる
3. デフォルメ
仕上げのステップはデフォルメ
複数の線でササッとデッサンした絵の線をシンプル化しながら、情報量を少なくして削ぎ落としていく
線をシンプル化する
デッサンでは複数の線で大まかに描いたけど、ここでは逆に線を絞り込みながら描きこんだ情報量も少なくしていく
たとえば髪型なんかは細かい毛の流れは描かずにシンプルなカタチで抽象化してしまえる
他にも鼻は無くても表情には影響しない、といった具合にその絵が”何を描いているイラストなのか理解できる”程度に情報を削ぎ落としていくカンジかなーと思った
単なる清書ではなく、ビジネスに使うイラストとして描きやすくするカンジかな
自分らしいアレンジ
どのくらい情報を削ぎ落とすのか、どのくらい抽象化するのかは、それぞれ描く人の”気持ちいいところ”が違うので人により差が出る
だから”自分らしい絵”・”自分らしいアレンジ”になるのだとこの本には書かれている
イラストの3ステップをビジネスで使う
ここまでで学んだ”イラストの3ステップ”を具体的にビジネスで使うと想定しよう
何か説明したりプレゼン用資料の中にイラストを入れるとすると、以下のような流れになる
- 目的に応じて自分が欲しいイラストを決める(何のイラストを描くか決める)
- 写真など資料を集める
- イラストの3ステップを実行する
- 彩色してイラスト化する(モノクロでも可)
実はこれがそのまま”さまざまなイラストのバリエーションパターンを短時間で加速度的にマスターできるトレーニング”になっているんだ
3回描けば自分の絵になる
著者が言うには、このトレーニングを繰り返して同じ絵を3回も描けば、自分オリジナルの絵として馴染んでくるそうだ
さらにそのイラストのパターンが長期記憶に蓄積され、お手本なしでスラスラ描けるようになるんだ
イラストをうまく描く必要はない
この本で説明しているイラストの目的は”伝わる”ことなので、相手に伝わってイメージを共有できることがゴール
プロのマンガ家レベルにうまく描く必要はない
むしろヘタなほうが味があって”共感”されるものだ
たとえば飲食店のメニューなんかで、スタッフの女性がワンポイントで描いた手書きイラストに目がいってしまったことはないだろうか
”女の子のラクガキ”程度の絵でも、描いてあることで目をひくし、シンプルに情報を伝えることができる例だよね
さらにあらかじめ描いたものを見せるよりも、ライブで描くとよりわかりやすいらしい
この本によると、脳機能科学的・統計学的にも手書きで描いた味のある線のほうが、パワーポイントでつくられた完成された絵やグラフより伝わりやすいと証明されているそうなんだけど、エビデンスまで示されてはいなかったのが残念
とはいえそれを実証するかのような効果的な事例は存在しているんだ
「ホワイトボードムービー」というのがあって、イラストをライブで描いていきながらプレゼンテーションする動画があるんだけど、これがかなり効果があがるそうで最近流行りのプロモーション手法として注目されているよ
イラストを使うと相手との距離が縮まる
この本には、言葉でアレコレ説明する必要があることをイラストでシンプルに「共通言語」化することで、著者が大きく成果を実感したエピソードも書かれている
「共通言語」をイラストで見える化し、イメージを共有しながらコミュニケーションがはじまると、相手との距離が縮まる
これはイラストを使うことで、自分の頭で描いたイメージを相手と素早く一致させることができるからだろう
距離が縮まると心理学でいうところのラポール(深い信頼関係)が築かれる
営業や販売の本では、このラポールを顧客との間に築くことの重要性が説かれていて、さまざまな心理学の裏付けで実証できるエピソードなんだ
まとめ:ビジネス書としての側面もある一冊
絵を描く”スキル”の正しいやり方を学んでイラストをビジネスに活用する
- ”イラストの描き方”というより”イラストをビジネスに活用する”内容の本
- 説明・プレゼン・会議・商談などにイラストを使うのが目的
- セールスライティングのノウハウも詰まっている
イラストをビジネスに活用するための本なので、ビジネス書らしい内容も掲載されている
最近のビジネスシーンの流行であるマインドフルネスに触れているところもそうだし、イラストと組み合わせると効果的だとして7つの問題解決フレームワークも紹介されている
ストーリーテリングの話題もあって、神田昌典氏の『ストーリー思考』が出てくるページもある
いちいちデッサンしなくてもいいようにすぐ使える以下のお手本イラストも掲載されているよ
- なぞって練習できる35のイラスト
- 感情表現6つのパターン(表情・吹き出し・描き文字)
イラストをビジネスに有効活用したいと思っている人は、ぜひこの本から入門してみよう
僕も今日からさっそく練習していくことにするよ