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読書家の長尾さん

睡眠不足による脳障害で意志力が弱る!回復する方法はある?

意志力を高める『スタンフォードの自分を変える教室』実践編 連載

睡眠不足による脳障害で意志力が弱る!──回復する方法はある?

更新日:

もしあなたが1日6時間も眠れていなかったとしたら……この記事にはきっと興味を持ってもらえるでしょう

読書家の長尾さん
『スタンフォードの自分を変える教室』の内容を実践していく連載、第9回だよ!

良い習慣を継続して悪い習慣を捨てる、「自分を変える」ことができる本をやってみた実践記録

あなたもこの連載を読みながら、僕と一緒に自分を変えてみよう!

今日のキーワードは「睡眠・リラクゼーション・ストレス」

睡眠不足になると脳に障害が出るらしいんだけど……回復する方法はある?

「6時間未満の睡眠」が意志力を弱くする

睡眠不足が慢性化すると、ストレスや欲求や誘惑に負けやすくなる

感情をコントロールしたり、意識を集中させたり、「やる力」のチャレンジに取り組むのも難しくなる

読書家の長尾さん
「やる力」は3つに分けられた意志力のうちの1つだったね

3つに分けられた意志力について、詳しくはこの連載の第1回「意志力とは何か?意志力を高める脳を鍛えるには?」を参照してね

なぜ睡眠が足りないと意志力が低下するのか?

睡眠不足の状態では体や脳の主要なエネルギー源であるグルコースを使用することができなくなる

読書家の長尾さん
疲れていると血液中のグルコースが細胞になかなか吸収されないんだ

これにより細胞がエネルギー不足となり、疲労を感じる

疲労を感じると体や脳がエネルギーを欲しがるため、甘いものコーヒーが欲しくなってくる

でもエネルギーが吸収されにくい状態になっているので、糖分やコーヒーでいくら補給しても効率よく使うことができず、体や脳は十分なエネルギーをとることができない

こういった影響を特に受けやすいのが自己コントロールをつかさどる脳の領域、前頭前皮質なんだ

前頭前皮質については、この連載の第2回「脳の中のもうひとりの自分を利用して意志力を高める」で詳しく説明しているよ

軽度の前頭前野機能障害

睡眠不足の状態で目を覚ますと、一時的に脳に障害を負ったような状態になる

研究によれば、睡眠不足が脳に与える影響は軽度の酩酊状態と同じであることがわかっている

読書家の長尾さん
つまり睡眠不足は酔っ払った状態と同じってことだね

前頭前皮質に障害が起きると、脳の他の領域に対するコントロールが失われるんだ

通常であれば、脳の警報システムの過剰な働きを抑えてストレスや欲求に対処しやすくしている

ところが一晩寝ないと、これら2つの脳の領域の連絡が途絶えてしまう

歯止めのきかなくなった警報システムは、ふつうの日常的なストレスにも過敏に反応するようになってしまうんだ

そうすると体が闘争・逃走反応の生理状態になったままで、ストレスホルモンのレベルが高くなる

結果、自制がきかなくなってしまうんだ

でもちゃんと寝たあとは脳に発生した障害は元に戻るそうだよ

読書家の長尾さん
僕はけっこう慢性的に夜更かし型で寝不足がちだから、意志力のためにもこれは本当に気を付けたいところだなぁ

意志力の実験:眠りましょう

科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験

読書家の長尾さん
今回は意志力の実験を2つ、さらにマイクロスコープを1つ紹介するよ

まず1つ目の意志力の実験は眠ることについて

寝不足が続いても、自己コントロールを補強する方法はいろいろあります

毎晩8時間熟睡するのは無理だとしても、ささやかな工夫で大きな効果を得ることができます

いくつもの研究によって、ひと晩ちゃんと眠っただけでも脳の機能は最適な水準まで回復することがわかっています

ですから平日はずっと夜遅く寝て朝早く起きる生活が続いても、そのぶん週末にたっぷり寝れば、意志力は再びみなぎってきます

また、その他の研究では週の前半にしっかりと睡眠をとっておけば、後半に寝不足になっても大丈夫という結果がでています

さらにいくつかの研究によって、いちばんよくないのは連続して何時間も起きていることだとわかりました

ですから、前の晩にほとんど眠れなくてピンチというときには、少し居眠りするだけでも集中力や自己コントロール力が回復します

これらの方法──不足した分をあとから補う、寝だめをする、もしくは居眠り──のどれかを試して、睡眠不足による悪影響の解消や予防に役立ててください

「寝だめは意味がない」というのをどこかで聞いたことがあるので検索してみたんだけど、どうやら現在では寝だめは有効だという研究結果のほうが認知されているみたいだ

このあたりは「スタンフォード式最高の睡眠」に書いてあると思うので、またこの連載が終わったら詳しくまとめようかな

いっかい読んだけど、ちゃんとまとめてないから内容うろ覚えだし、ちょうどよかった

「する」が失敗したら「しない」を決める

睡眠に関して、こんなエピソードがこの本に収録されている

夜ふかしをやめたいと思っていた女性の話なんだけど、この女性の生活はこんなカンジだった

  • 29歳独身、ひとり暮らし
  • 誰かに合わせて早く寝る必要はない
  • 毎朝起きるとぐったり
  • カフェイン入りのダイエットソーダで乗り切ろうとがんばるが、会議中に思わずウトウトすることも
  • 夕方5時になれば神経はすり切れてクタクタ
  • 怒りっぽくなり、集中力もなくなって、ドライブスルーのファストフードが無性に食べたくなる

「もっと早く寝る」を目標にしたが……

こんな生活を変えるために、彼女は「もっと早く寝る」という目標を立てたんだけど、翌週の報告では成果なし

夕食どきには「今夜こそ絶対に早く寝よう」と思っているらしいんだけど、23時頃になるとそんな決心はすっかり忘れてしまうらしい

何をしているせいで早寝ができないのか聞いてみると、「あれもこれもやっておかなければと思ってしまう」というんだ

  • Facebookをチェック
  • 冷蔵庫をきれいにする
  • 大量のジャンクメールを整理
  • 商品情報満載のテレビショッピングを見る

これらは実際にはどれも夜ふかししてまで急いでやる必要はないけれど、なぜか深夜になると不思議とやる気になってしまうらしい

「あとひとつだけやったら寝よう」と思いながら、ずるずるはまってしまったようだ

ということは肝心なのは早く寝るよう心掛けるよりも、起きてダラダラいろんなことをやり続けるのをやめることのほうだったんだ

目標を「する」から「しない」に変更

翌週は睡眠時間を増やす」という目標から、「23時以降に新しいことを始めない」という目標に変更

これを意識することで毎晩7時間眠ることができ、テレビショッピングはもちろん以前は深夜にやりたくなったいろんなことも魅力的には思えなくなったんだとか

読書家の長尾さん
慢性的な睡眠不足が解消されたおかげで、意志力がうまくはたらくようになったんだね

意志力の実験:体にリラクゼーション反応を起こす

科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験

今回2つ目の意志力の実験は体にリラクゼーションを起こす方法について

日常のストレスや自己コントロールによる疲労から回復するのに最もよい方法のひとつはリラクゼーションです

しかしリラクゼーションといっても、ぼーっとテレビを観るとか、ワインを楽しみながらごちそうをいただくとか、そういう話ではありません

意志力をアップさせるリラクゼーションとは心身がほんとうに休まっている状態を指し、ハーバード大学医学部の心臓専門医ハーバート・ベンソンのいう「生理学的リラクゼーション反応」をもたらします

生理学的リラクゼーション反応とは

心拍と呼吸のペースが遅くなり、血圧も下がり、筋肉の緊張がとけるといったもの

脳も先のことを考えたり過去のことを分析したりするのをやめて休息をとる

生理学的リラクゼーション反応を起こすには

  1. あおむけに寝る
  2. ひざの下に枕を入れて足のほうを少し高くする
  3. 目を閉じ、何度か深呼吸をして、お腹を膨らませたりへこませたりする
  4. 体のどこかに凝っているところがあれば、そこをもんだり触ったりしてから手を放す(※1・※2)
  5. 5~10分はそのままで何もせずただ呼吸することを楽しむ


(※1)手のひらや指がこわばっていると感じたら、ぎゅっとこぶしを握ってから手を広げる
(※2)額やあごのあたりが凝っているようなら、顔をくしゃくしゃにして目を細めたあと口を大きく開け、それから顔の力を完全に抜く

これを毎日の習慣にすることで、慢性的なストレスや過度の自己のコントロールによる生理的な悪影響から体を回復させるのに役立つ

ちなみに僕はこれを実践している最中に気持ちよくなって居眠りしちゃったんだけど、寝てしまうようならアラームをセットしておくといいらしい

読書家の長尾さん
体を休めて呼吸するってことは、前々回の記事「意志力を高めるには心拍変動数を大きくしよう」の意志力の実験で出てきた1分間に4回のペースで呼吸をする練習も併せてできるね

ストレスは「一瞬」でやる気を奪う

何かをやりとげるには、多少のストレスがあっても仕方がないと考えてないかな?

そして自分でわざわざストレスを増やすようなマネをしてない?

  • やるべきことにギリギリまで着手しない
  • 自分の怠け癖や自制心の弱さを責めることで自分を奮い立たせようとする

もしくは自分ではなくて他人のやる気を引き出すためにストレスを利用することはないかな?

  • 職場で猛烈な仕事ぶりを見せつける
  • 家でカミナリを落とす

こういったことは短期的には効果があるように見えるかもしれない

でも長い目で見るとストレスほどあっという間に意志力を弱らせるものはないんだ

なぜならストレスに対する生理機能と自己コントロールの生理機能は一緒には成立しないから

第6回の記事「意志力に反して体が勝手に衝動的になる!?」に出てきた「闘争・逃走反応」と「休止・計画反応」を覚えているかな?

闘争・逃走反応も休止・計画反応も、ともにエネルギー管理の方法には違いないんだけど、エネルギーと注意力の向け方がまるっきり逆なんだ

読書家の長尾さん
どちらかの反応が起きる際にはもう一方の反応のトリガーになる脳の領域のはたらきを抑え込んでしまうんだったよね

ストレスとうまく付き合う方法を学ぶことは、意志力を向上させるために最も重要なことのひとつなんだ

マイクロスコープ:ストレスでいかに自制心が落ちるか試す

各章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題、マイクロスコープ

今回のマイクロスコープは、ストレスでいかに自制心が落ちるか試すこと

心配ごとがあったり、働きすぎで疲れていたりすると、自分の選択にどのような影響が表れるでしょうか

お腹がすいたり疲れていたりすると、意志力は弱くなるでしょうか

体のどこかに痛みがあったり、病気だったりする場合はどうでしょう

また怒り・孤独・悲しみのような感情によってどのような影響が表れるでしょうか

1日あるいは1週間のなかで、どんなときにストレスを感じているでしょうか

その影響で自己コントロールにどんな変化が表れるか観察してみましょう

欲求を感じたり、かっとなったり、やるべきことを後回しにしていませんか?

これはもうすでにものすごく実感している

空腹だったり疲れていたりすると間違いなく意志力が低下している

仕事上で難しいことを考えていたり、段取りが狂って思うように進まなくなったりしたときは、かなり意志力が低下していると感じる

さっさとやればいいタスクを先延ばしにしたり、ついつい間食してしまうのも、こうしたストレスフルな状態になっているときだ

まとめ:できるだけ6時間以上眠ろう

6時間未満の睡眠では意志力が低下する状態になってしまうことがわかった

6時間眠ることができないときは週末に多く寝たり、前もってわかっているときは寝だめしたりして対処することにしよう

疲労のほかにもストレスが原因で意志力が低下する状態になってしまうのは気をつけたい

また生理学的リラクゼーション反応を起こすことで意志力が低下しやすい状態から回復できることもわかった

読書家の長尾さん
うまく使って睡眠不足・疲労・ストレスから回復させて意志力を発揮できる状態を維持しよう

次回予告:意志力の本を2週間実践した感想

今回で第2章の内容は終わり

次回は第2章の内容を振り返って、この1週間で第2章を実践してみた感想や気づいたことを書いてみるよ

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