マラソンランナーのような不屈の意志力をあなたも身につけられる方法があります
「自分を変える」ために良い習慣を継続して悪い習慣を捨てる本を実践していく連載
僕と一緒にこの本を実践してみれば「自分を変える」方法がきっと見つかるよ
今日のキーワードは「意志力の限界を突破する」
あーもうダメだ!と思ってからもうひと踏ん張りする方法を学んでいくよ
限界を感じるのは脳にダマされているだけ
ここまで紹介してきた科学の実験でも、自分自身で日常生活を振り返ってみても、たしかに意志力を使い果たしたように自制心が限界を迎えてしまうことがある
それを実際に検証した研究チームの実験を見てみよう
競技中の極限状態にあるアスリートの体で検証する
ケープタウン大学の運動・スポーツ科学の教授ティモシー・ノークスは、競技中の極限状態にあるアスリートの体で実際に何が起きるのかを検証した
結果として筋肉には生理的な不具合は何ら認められなかったにもかかわらず、脳は筋肉に向かって止まるように指示を出しているようだった
どうやら脳は心拍数の上昇とともにエネルギー供給が枯渇していくのを感じて、文字通り体にブレーキをかけたらしい
この検証により、疲労はもはや肉体で実際に起きているものと考えるべきではない、むしろ感覚や感情というべきものだということが明らかになったんだ
意志力の限界は超えられる
いまでは自己コントロールの限界も体力の限界と同じようなものだと考える科学者もいる
さっきの検証と同じく実際にはまだ余力があるのに意志力の限界を感じてしまっているというわけだ
意志力が消耗してしまったわけではないので、脳がエネルギー消費量の多い前頭前皮質にブレーキをかけても、気力を振りしぼればまだ頑張れる
そうつまり……気合だっ!(くわっ
精神的な疲労を意に介さない人たち
スタンフォード大学の心理学者たちの発見によると、自制心を発揮したあとに襲ってくる精神的な疲労を感じても意に介さない人がいるらしい
この人たちには筋肉疲労に似たような自己コントロールの低下は見られなかったんだ
前々回の記事「意志力を高める脳とエネルギーの関係」で意志力の回復はプラセボであった可能性を紹介したけど、結局のところ意志力の限界も思い込みに過ぎない可能性が高い
数々の研究によって自己コントロールには限界があることが示されているけれど、それは実際の体力や精神力の限界を示しているのではなく、意志力に関する人びとの思い込みを反映しているに過ぎないらしい
ただしこの考えに基づいた研究はまだ始まったばかりだし、なにも人間のコントロール力が無限だと主張するものではないんだけどね
マイクロスコープ:疲労感を気にしない
今回の課題はマイクロスコープが1つ、そして意志力の実験が1つある
まず最初は、各章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題、マイクロスコープ
今回のマイクロスコープは、疲労感を感じても気にしないこと
こんど「疲れすぎて自己コントロールを発揮するなんて無理だ」と思ったときには、最初に感じた疲労を跳ねとばして、ねばってみましょう
ただし、やりすぎになる可能性もあるので注意してください
慢性的に疲労がたまっている場合は、がんばり過ぎて疲労困憊しているのではないかと考えてみたほうがよいでしょう
「あー疲れたぁ!もうこれ後回しにしたい!明日でいいよね!」と感じたときに「いやでもあとちょっとだけ……下書きだけでもやっとこう」とねばってみる
「今日はもう疲れたよぉぉ」となったら、あとひと踏ん張りだけして終わりにするようにしよう
それを繰り返していくことで自然と脳が限界を感じるポイントが引き上げられていくはずだよ
まるでマラソンを走れる距離が少しずつ伸びていくみたいにね
「望む力」が限界を引き延ばす
この連載の第1回「意志力とは何か?意志力を高める脳を鍛えるには?」で紹介した、意志力が3つの力に分けられるという話を覚えているかな?
- やる力
- やらない力
- 望む力
このうちの「望む力」が意志力の限界を突破するカギを握っている
望む力は「目的・計画を実現しようとする精神の働き」に該当する
ニューヨーク州立大学オールバニー校の心理学者、マーク・ムラヴァンとエリザベータ・スレッサレヴァの実験によると、望む力で意志力の限界を乗り越えられる結果が出ている
この実験では、意志力が弱くなった学生を対象にモチベーションの実験を数多く行った
報酬で釣ってみた
少し前までは疲れたからできないと思っていたことも現金を手に入れるためならやってのけたんだ
やり甲斐で釣ってみた
そうすると学生たちの自己コントロールが強化される結果が出ている
こうしてモチベーションをもうひと踏ん張りさせていくことを続けると、やがて難しい問題でも練習するうちにうまくできるようになることがわかってくる
学生たちは次第に意志力の限界を乗り越えられるようになっていったんだ
まあそれがわかったからといって、一気にモチベーションが上がることはないだろう
たとえば、禁煙初日はタバコを吸いたくてたまらないに決まっているよね
これがたとえ1年経ってもつらさが変わらないだろうと思ったら禁煙するのが苦痛でしかないよね
「いつかきっと自然に吸いたくなくなるに違いない」と思えるから、たとえ一時はつらくても我慢しようと思えるんだ
意志力の実験:望む力をつくりだす
今回2つ目の課題は、科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験
今回は意志力が弱まっていると感じたときに望む力を利用してやる気を出してみるという実験だ
意志力が弱まっていると感じたら、自分の「望む力」を利用してやる気を出しましょう
あなたにとって最大の意志力のチャレンジについて、次の3つのことを考え、モチベーションをアップさせてください
1. このチャレンジに成功したら、どんないいことがありますか?
2. このチャレンジに成功したら、あなたの他に誰の利益になりますか?
3. このチャレンジは、たとえいまは大変に思えても、がんばって続けていくうちにだんだんラクになっていくと想像しましょう今週は自分のチャレンジ目標に取り組みながら、3つのモチベーションのうち自分にとってはどれが最もやる気になるかを考えてみましょう
自分にとって最大の「望む力」──やる気が出ないときでも強さを与えてくれる力──を発見したら、誘惑に負けそうになったときや目標をあきらめそうになったときには、いつでもその力のことを思い出しましょう
というわけで僕の意志力の挑戦「ブログを毎日書く」について3つを考えてみた
- 1. このチャレンジに成功したら、どんないいことがありますか?
- 自分の実績として残り続け、この経験を色んなところで活用できる
- 2. このチャレンジに成功したら、あなたの他に誰の利益になりますか?
- 意志力の問題で悩んでいる身近な人や、ブログの読者さん
- 3. このチャレンジは、たとえいまは大変に思えても、がんばって続けていくうちにだんだんラクになっていくと想像しましょう
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実際のところ2週間とちょっとやって、だいぶ継続するのが苦じゃなくなってきた
たぶん10週間やりきる頃には完全に習慣化している気がする
まとめ:意志力の限界を突破するのは「もうひと踏ん張り」の気合いだった
運動で疲れたときは筋肉が限界を迎えているんだと思っていたけど、実際は筋肉がまだ動けるのに脳がブレーキをかけていることがわかった
マラソンで走れる距離が伸びていくのと同じように、「もうひと踏ん張り」を繰り返すことで意志力の限界は引き延ばされていく
「もうひと踏ん張り」の気合いを出すためには、3つの意志力のうち「望む力」がカギを握っていることもわかった
次回予告:意志力の本を3週間実践した感想
衝撃的な展開の連続だった第3章も今回で終わり
次回は第3章の内容を振り返って、この1週間で第3章を実践してみた感想や気づいたことを書いてみるよ
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