また新しい情報商材や実用書の購入をお考えなら──まだ買ってはいけません!
悪い習慣を捨てて良い習慣を継続する本を実践しながら「自分を変える」連載
記事を読んで一緒に意志力を高めるトレーニングをしていこう!
「変わろうと思う」だけで満足してしまう
「変わろう」という決心は、目先の欲求を満足させるには効果的だ
でも実際に変化を起こすための努力を始めたら、「こんなはずじゃなかったのに……」って思うようになる
だって短期間で最初に期待してたほど目立った変化を得られることは、滅多にないんだから
それで挫折しそうになると、「変わろう」と決心したときに感じた興奮はすっかり消え失せる
そして失望と不満でいっぱいになる
期待通りにいかなかったことで、またもや罪悪感を感じて憂うつになり、自身を失くしてしまう
「変わるんだ」と誓ったときの高揚感はすっかり消え去っている
──ところが再び何かで途方に暮れて藁(わら)にもすがりたい気持ちになると、また「変わろう」と思いはじめる
そして結局は同じことの繰り返しだ
「いつわりの希望シンドローム」が起こす快楽
前回の記事『意志が弱い悪循環「どうにでもなれ効果」』に出てきた「どうにでもなれ効果」を初めて明らかにしたトロント大学の心理学者ポリヴィとハーマン
この二人は「変わろうと思うだけ」の繰り返しに「いつわりの希望シンドローム」と名付けた
何かしら変化をもたらす過程において、最もラクでサイコーに気分がいいのは「変わろう」と決心するときだ
そのあとは自制心を発揮して、やりたいことを我慢しないといけない
やりたくないことだって我慢が必要で、苦しいことが続いていく
それなら「変わるんだ」という期待感だけ思う存分味わって、そのあとの大変なことから逃げてしまうというのはどうだろう
──と、こう考えてしまう心理が「いつわりの希望シンドローム」だ
もちろん「自分はきっと変われる」という希望をもつことができなければ、現状に不満があってもただずっと我慢し続けなきゃならない
だからといって自分の行動を変えるためじゃなく、とにかく明るい気分になりたいというだけで「今日から俺は!」と決意だけするのは終わりにしよう
報酬の期待だけでは何も満たされないことは『意志が弱いから誘惑に負けるんじゃない ドーパミンのせいなんだ』でもう学んだことなんだから
マイクロスコープ:「決心するだけ」を楽しんでいませんか?
今回の課題はマイクロスコープが1つ、そして意志力の実験が1つある
まず最初は、各章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題、マイクロスコープ
今回のマイクロスコープは「変わろうと思ったときの自分」を観察すること
自分を変えることに対するあなた自身のモチベーションや期待について考えてみましょう
変わりたいと思うのは、気分が落ち込んでいるときだけでしょうか?
目標を設定するときにいちばん楽しいのは、うまくいったら人生がどんなに変わるだろうかと想像することでしょうか?
自分の行動を変えるための具体的な努力をするよりも、みごとに変わった自分の姿を想像していい気分にひたっていませんか?
何を隠そう僕も色んな情報商材やら実用書を買い漁った時期がある
似たような内容のものをいくつも買って、実は今でも手をつけずに積みっぱなしになっているものが残っているんだよね
実はあのとき「あれ?なんにもやってへんやん……こんなん何も変わらんやん……」と気付いたのが、今こうやって1冊だけをガッツリ実践してみようと思ったきっかけだったりする
そして何度か「変わろう」と思っただけで挫折してきた経験から学んだことは、とりあえず具体的に何かガムシャラにやってみるのが大事だってこと
最初から上手くやろうとか小難しいこと考えず、とにかくまずは思うようにやってみる
そしてやったことの記録を残していくこと
すると反省点が必ず出てくるから「じゃあこうしてみたらどうだろう」という次の仮説がたつ
意志力の実験:決意を持続させるためのシミュレーション
今回2つ目の課題は、科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験
今回は「自分が失敗するところを想像する」という実践
楽観的になるとやる気が出ますが、ほんの少し悲観的になれば成功に役立ちます
研究によれば、自分がいつどんなふうに誘惑に負け、誓いを破ってしまうかを予想することによって、決意を持続できる確率が高くなります
あなたの意志力のチャレンジについて考えてみてください
自分が最も誘惑に負けやすいのはどんなときでしょうか?
目標のことを忘れそうになってしまうのはどんなときでしょうか?
やるべきことを先延ばしにするとき、自分に向かってどんな言い訳をしているでしょうか?
答えが頭に浮かんできたら、こんどは実際に自分がそんな状況に陥ったところを想像してみましょう
何を感じ、どんなことを思うでしょうか?
失敗するまでの様子をまざまざと思い描きます
これはもう何度か失敗してるのでよく分かってる
最も誘惑に負けやすいのは「疲れてる」とか「体調を崩した」ときだ
この連載の間も「もう今日はちょっとさすがにしんどい ちょっと横になっときたい」という誘惑との戦いが何度かやってきた
それでどういう言い訳をして先延ばしにするかというと「ちょっとだけ横になろう」がお決まりのフレーズなんだよね
そうしたら、こんどはその想像上の失敗を成功に変えましょう
自分の決意を守るためにはどんな行動を取ればよいか、具体的に考えます
モチベーションを思い出すのもよいでしょう
友だちに手を貸してもらったり、これまでに学んだ方法を試してみたりするのもいいかもしれません
もし試したい方法があれば、実際にやったところを想像してみましょう
どんな感じがするか、頭のなかではっきりと思い描くのです
うまくいった様子を想像しましょう
成功した姿を思い描くことによって、目標を達成するために必要なことを着実にやっていく自信が生まれます
このように失敗に備えるのは自信がないからではなく、ある意味では自分に対する思いやりです
たとえ意志力の問題で失敗が起きたとしても、準備しておいたことを実行に移せばよいのですから
さてこれが難しい
「しんどい」とか「調子悪い」に対してどう対応するのがベストなんだろう
「横になって大丈夫か? このまま熟睡したりしないか?」という葛藤はあるものの、疲労や体調不良は生命を脅かす危機だ
ということは結局のところ保険をかけておくしかないんじゃないかと思う
僕の意志力チャレンジ「月~金は毎日ブログを更新する」に対する保険は、やっぱり「書き溜め」だろうなぁ
記事のストックを作っておけば1日くらい調子悪くたって挽回できる
前はそのストックがあることに甘えてしまうことが多かったんだけど、それも経験として身についているし『あなたの意志が弱い理由は罪のライセンスだった』でモラル・ライセンシングについても学んでいるし、今ならもう大丈夫なんじゃないかな
『スタンフォードの自分を変える教室』は「記事を書くために読む」んじゃなくて「実践した記録として記事にする」「アウトプットして自分の中に定着させるために記事を書いてる」のが本来の目的だからね
4時間くらいかけてがっつり勉強したあと、毎日復習して考え直しながら記事を書いてるので、この連載の記事を書くのはメチャクチャ時間がかかるんだ
『小さな習慣』で紹介されているように「今日は調子悪いけど、とりあえずデスクに座る」「しんどいけど、とりあえずアウトラインプロセッサを立ち上げる」「とりあえず読書ノートを開く」「章の見出しだけでも書いてみる」
そして少し「いけるかな」という気になってきたら『創作や作業に没頭したいのに邪魔する人がいる? これ1つだけやってください お金は使いません』で紹介したポモドーロテクニックを使って「25分だけ集中してやってみる」
こうして小さいハードルを越えることで「せっかくここまでやったんだから」という気になったらしめたものだ
まとめ:「変わろうと思うだけ」はもうやめよう
「変わろうと思うだけ」を繰り返すだけの「いつわりの希望シンドローム」という心理について知った
決心するだけだった頃の自分を見つめ直すことで、この心理について深く実感できた
そして決意を持続させるために、自分が失敗するところをシミュレーションしておくことも大事だと理解できた
次回予告:意志力の本を6週間実践した感想
堂々巡りの目くらましとも思える第6章の内容も今回でおしまい
次回は第6章の内容を振り返って、この1週間で第6章を実践してみた感想や気づいたことを書いてみるよ
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