ドーパミンを利用して意志力を高めることのできる新しい方法があります
悪い習慣を捨てて良い習慣を継続するために、「自分を変える」本の実践記録を連載しているよ
もう1カ月以上ずーっとこの本と向き合ってるんだなぁ
1冊の本と1カ月以上向き合うなんて、資格試験の勉強してた頃に使ってた教科書以来だな
退屈な作業を「ドーパミン化」して意志力を高める
前回の記事「意志が弱い人を狙う ドーパミンを搾り取るマーケッター」で紹介したような話を聞くと「あんな広告や小売店の仕掛けは違法にするべきだ!」と言い出す人が必ず出てくる
実際にこの本の基になった講座でもいたらしい
とはいえそんなことは不可能に近いんだよね
だからいっそドーパミンをうまく利用できるようになってしまおう
報酬を設定するとつまらない作業が楽しくなる
今やっていることに対する報酬を得られるのがあまりにも先になる場合は、いつか手に入るはずの報酬を思い描いて、あえて少し余計にドーパミンを放出させてみよう
経済学者たちが非常に面白い提案をしているんだけど、以下に挙げるような「あまりおもしろくないこと」をドーパミン化してはどうかと言っている
- 退職に向けて貯金をする
- 期限内に税金を納める
社会人なら誰もが銀行預金の金利が低いことを知っているよね
でも「100万円当たる宝くじの抽選券を1口分、1カ月に1万円預金をするごとにもらえる」というふうにしてみたら、せっせと貯金しようという気になると思う
税金も「納期までに税金を支払い、収入と控除をすべて正直に申告した人のうち、抽選に当たれば1年分の税金に相当する金額が戻ってくる」のはどうかという提案がある
これを実際に役所がやるのは無理かもしれないけど、たとえば経費精算の提出期限を守らせるために企業の経理課が実施するのはできるんじゃないかな
「期限内に経費精算を提出した人だけサイコロを振る権利をもらえて、6ゾロが出たら精算額の2倍を特別支給」とかね
報酬の予感で依存症を克服する「金魚鉢」
金魚鉢(フィッシュボウル)は、アルコールや薬物の依存症に最も効果的な方法のひとつだ
定期的な薬物検査に合格した患者たちは、ボウルの中に入っているたくさんの紙切れから1枚えらんで取ることができる
紙切れのうち半分は「その調子で頑張ろう」といったメッセージが書いてあるだけのハズレクジだけど、残りの半分は1~20ドルの賞金の当たりクジになっている
そしてたった1枚だけ100ドル(約11,000円)の当たりクジが入っているんだ
依存症の治療中にこの金魚鉢を行った患者の83%が12週間の治療を最後まで続けて、そのうち80%はすべての薬物検査に合格している
金魚鉢を行わなかった場合は20%しか治療を最後まで続けられず、すべての薬物検査に合格した人も40%だったことを見ると驚異的な結果だ
さらに治療が終了したあとも金魚鉢を行ったグループは、行わなかったグループに比べて再発の可能性もはるかに低かったそうだよ
定額の報奨金よりも思いがけない報酬の効果が大きい
ある程度のお金が確実にもらえるより、人は大金をもらえる可能性があるほうが興奮するし、それを勝ち取るためなら何だってしようという気になる
だからこそ2%の利率で預金するよりも投機的な株式売買やFXを選ぶ人が増えているし、果ては宝くじを買おうとしたりバイナリーオプションなんていうただのギャンブルにまで手を出そうとするんだね
意志力の実験: 「やる力」とドーパミンを結びつけて意志力を高める
科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験
今回は「やる力とドーパミンを結びつける」練習をしてみよう
受講生たちは、音楽やファッション誌やテレビなど、いろいろなものを利用して、ずっと先延ばしにしていた用事をドーパミン化しました
面倒な書類をお気に入りのカフェに持って行き、ホットチョコレートを飲みながら片づけた人もいます
目先が変わっていておもしろかったのは、スクラッチ式の宝くじを何枚も買って、片づけるべき場所に点々と置いた人
他にも難しい仕事が大成功した様子をビジュアル化して、はるか先に手に入るはずの報酬に現実感を持たせた人もいました
もし、あなたも面倒でやりたくないと思っていることがあるならば、ドーパミン神経細胞を活性化させる何かと結びつけ、やる気を起こしてはいかがでしょうか
これちょっと思い当たるエピソードがあって、何年か前に僕が役員やってた会社でまさにこれを実践してたんだよね
「○年後に自分がどうなってるかの様子をA4の紙1枚でビジュアル化しろ」ってことでそれ書いて常にデスクの横に貼って目に見えるようにしておいたんだ
いま思い返すと、その成功の様子を「望む力」の意志力にして「やる力」の意志力を高めることができてたんだろうなぁ
神田昌典氏の『ストーリー思考---「フューチャーマッピング」で隠れた才能が目覚める』や小山竜央氏の『ストーリー思考で奇跡が起きる~1%の成功者だけが知っている「人生の脚本」の作り方~』の内容がまさにこの意志力のチャレンジに相当するんじゃないかな
まとめ:ドーパミンをうまく利用して「やる気」の意志力を高めるぞ!
モチベーションが上がりにくいことでも、企業のマーケッターたちが仕掛けてくるドーパミン刺激の仕掛けを流用して「やる気」の意志力を高めることができそうだとわかった
定額の報酬よりも思いがけない報酬のほうが期待が高まるようなので、何かしらギャンブル要素を取り入れるのがよさそうだ
結果が出るまで時間のかかることは、「望む力」の意志力を高めるために「成功している未来の自分の様子」をビジュアル化して現実感を持たせよう
次回予告:あえて快感の誘惑に負けてみる
ここまで一所懸命に意志力を高めるためのトレーニングや観察を続けてきたけど、なんと次回はあえて誘惑に負けてみるテスト
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