こんなに簡単ですぐできる方法で、脳のトレーニングになるなんて今までは考えられませんでした
実践すれば悪い習慣を捨てて良い習慣が継続できるように「自分を変える」ことができる本の実践記録だよ
あなたも自分を変えるために、この連載を読んで僕と一緒に実践しよう!
前回の記事『意志力を高めるために自分を知る方法─そしてPDCA』では「自分の衝動と、衝動にしたがって行動した結果がどうなるかをしっかり認識できないまま、目標だけ立てたって達成できっこない」ということがわかった
今日のキーワードは「脳の灰白質を増強する瞑想」だよ
灰白質とは?
まず今回の中心的なキーワード「灰白質(かいはくしつ)」について知っておこう
脳をスパーン!と真っ二つに切ってみると、アンパンみたいな構造になっている
まずアンコの部分にあたるのが「白質(はくしつ)」といって、実際にスパーン!と解剖して直接目で見たときに白く見えるのでそう呼ばれている
これに対して、アンパンの皮の部分にあたるのが「灰白質」だ
白質を取り囲んで脳の表面部分にあるので「皮質」とも呼ばれているよ
脳の灰白質を増強する
- 毎日数学をやれば数学に強い脳になる
- 心配ごとばかりしていれば、心配しやすい脳になる
- 繰り返し集中を行えば、集中しやすい脳になる
このように何かを繰り返し行うことは脳にとって容易になるだけでなく、それに合わせて脳自体が変化していくことになる
筋肉がトレーニングによってたくましくなるように、脳の一部の灰白質が強化されるからだ
脳を鍛えることによって自己コントロールを強化することができる
何かを繰り返し行うことで灰白質は強化される
あえて誘惑だらけの環境状態にして、それに耐えるというのもひとつの方法だね
でももっとカンタンで苦痛の少ない方法がある
それが瞑想だ
『一瞬で心をつかむ 伝わるイラスト思考』を紹介した記事でも出てきたよね
あの本では「頭をリセットして先入観を取り払う」というマインド面がフォーカスされていたけど、こちらは生理学的な話
最近の脳科学者たちの発見によれば、瞑想を行うようになると以下のような自己コントロールのさまざまなスキルが向上するんだそうだ
- 注意力
- 集中力
- ストレス管理
- 衝動の抑制
- 自己認識
瞑想を定期的に行えば、たんに瞑想がうまくなるだけじゃなく、前頭前皮質や自己認識のために役立つ領域の灰白質が増加する
瞑想をすると前頭前皮質への血流が増えるためだ
筋肉に例えたし、脳のトレーニングとして行うので長い期間かかるイメージを持ってしまったかもしれないけれど、実は何か結果を得られるのはけっこう早い段階だ
ある研究で、今まで一度も瞑想をやったことがない人たちを集めて実験した
集められた人たちの中には瞑想に対して懐疑的な人たちもいたそうだけど、それでも瞑想の時間と脳に起こった変化はこうなっていた
- 瞑想の練習をたった3時間行っただけで注意力と自制心が向上
- 11時間後には脳に変化が現れ、集中力の持続・気が散るものを無視・衝動を抑制したりするのに重要な領域の神経間の連絡が増加していた
また別の研究では8週間毎日瞑想を続けると、日常生活において自己認識の度合が向上し、自己認識をつかさどる部分の灰白質の量が増加しいるのがわかった
意志力の実験:5分で脳の力を最大限に引き出す
科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験のコーナー
もちろん今回は瞑想の実践になるわけだね
まずは1日5分から始めてみて、続けられそうなら10分~15分に延ばしてみる
あまり長い瞑想時間を設定して「今日は瞑想の時間がとれないから明日にしよう」とならないようにね
短くても毎日練習したほうがいいからね
スティーヴン・ガイズの『小さな習慣』でも、こうした小さな習慣(たとえば腕立て伏せ1回とか)を毎日続けることで慣らしながら大きな目標をクリアするコツが書かれている
……というかまだ『小さな習慣』を紹介する記事って書いたことがなかったんだな
マインドフルネスを専門的に扱った本もそうだけど、今後もちょこちょこ出てきそうだからこの連載が終わったら書評を書いておこう
瞑想のやり方は呼吸を意識してじっとするだけ
それでは具体的なやり方を紹介することにしよう
- 動かずにじっと座る
- 呼吸に意識を集中する
- 呼吸をしているときの感覚をつかみ、気が散りはじめたら意識する
1. 動かずにじっと座る
背筋を伸ばし、両手はひざの上に置く
瞑想をするときは、そわそわしたりゴソゴソ動かないこと
どこかしらかゆくなったりしたら、腕を動かしたり脚を組みなおしたりして、かかずにいられるか試してみる
(できたらそれすらせずじっと耐えてみる)
ただじっと座っているのを続けるということだけでも意志力を強化するトレーニングになるんだ
このトレーニングによって、脳や体が感じる衝動にいちいち従わないようになる
2. 呼吸に意識を集中する
呼吸に意識を集中し、息を吸いながら心の中で「吸ってー」と思い、「吐いてー」と思いながら息を吐く。
しばらく続けていくうちに、ふと何か思い出して考えはじめてしまったり、じっとしていられなくなって気が散ってくる
瞑想を専門に取り扱っている本で「雑念」と呼ばれているものが浮かんでくるんだ
雑念が浮かんでくるから瞑想できていないと思ってしまう人もいるんだけど、雑念が浮かんでくるのは自然なことなので安心してね
気が散っていることにはっと気づいたらまた呼吸に意識を集中して引き戻す
こうして何回も繰り返し呼吸に意識を戻す練習によって、自己コントロールを司る前頭前皮質が活性化し、脳中枢のストレスや欲求を鎮める
3. 呼吸をしているときの感覚をつかみ、気が散りはじめたら意識する
何も考えない状態で、呼吸をしているときの感覚だけに集中してみよう
・ 鼻や口から息が出たり入ったりする感覚
・ 鼻の奥でぶつかって気道を抜けて肺の奥へと空気が入る感覚
・ 肺が膨らむと肋骨から胸が広がりお腹も膨らみ、息を吐くとしぼんでいく感覚
これもやはりしばらく続けていくうちに雑念が浮かんでくるので、気付いたら意識を呼吸に戻す
なかなか意識を戻せないときは、また「吸って」「吐いて」と心の中で言いながら意識を戻していこう
この練習は自己コントロールだけでなく、自分を見つめる自己認識のトレーニングにもなるよ
自分を何度も目標に引き戻す
瞑想中に気が散っては意識を戻すのと同じで、自己コントロールというのは目標から離れかけている自分に気づいて、ふたたび目標に向かって起動修正するプロセスのことなんだ
呼吸はコントロールできる範囲ではいちばん無意識にやっている行為で、そこに意識を集中しても次第に慣れて気が散ってくる
1日は1440分もあるんだから、そのうち必ずどこかで無意識の選択をしてしまうタイミングがやってくる
でもそこではっと気づいて軌道修正すればまた目標に向かっていくことができるようになるんだ
まとめ:自己コントロールする脳領域は瞑想で鍛えられる
自己コントロールする脳領域は瞑想で鍛えられることがわかった
1日1440分間の選択ぜんぶを意識するのは難しいけど、目標に関する選択だけでも意識できるようになれば、目標から遠ざかりそうになっていてもまた引き戻すことができるんだね
次回予告:意志力の本を1週間実践した感想と第1章のまとめ
今回で第1章の内容を一通り紹介し終わった
次回は第1章の内容を振り返って、この1週間で第1章を実践してみた感想や気づいたことを書いてみるよ
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