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読書家の長尾さん

意志力を高めるには根拠のあるストレス解消法が必要

意志力を高める『スタンフォードの自分を変える教室』実践編 連載

意志力を高めるには根拠のあるストレス解消法が必要

更新日:

一般的なストレス解消法の大半に効果がないとしたら、本当に効果があるストレス解消法に興味はありませんか?

読書家の長尾さん
第26回『スタンフォードの自分を変える教室』の内容を実践していく連載、今日も始めようか

「自分を変える」本の実践記録として悪い習慣を捨てて良い習慣を継続するための連載だよ

残り半分、引き続き一緒に意志力を高めて自分を変えてみよう!

今回の見どころ


読書家の長尾さん
美味しいものを食べに行ったり、パーッとお酒を飲んだり、ゲームをやったり──一般的に知られているストレス解消法ってこんなカンジだよね

酔っ払い

読書家の長尾さん
でもそういった一般にイメージされているストレス解消法ってほぼ効果がないことが分かってるんだ

なんやと…

読書家の長尾さん
今日は根拠のある正しいストレス解消法について勉強しよう

大半の「ストレス解消法」は意味がない

最も一般的なストレス解消法といえば、ざっと以下のようなカンジだと思う

  • 美味しいものを食べる
  • お酒を飲む
  • ショッピング
  • テレビを観る
  • インターネット(SNSなど)
  • ゲーム

意志が弱いから誘惑に負けるんじゃない ドーパミンのせいなんだ』から前回までの内容を読んできた人はピンと来たかもしれないけど、これぜんぶ脳の報酬システムを活性化させてドーパミンが出ちゃうものなんだよね

米国心理学会のストレスに関する全国調査結果があるんだけど、こういったストレス解消法を行っている人々から「ほとんど効果がなかった」と評価されているストレス解消法なんだ

この調査によると、たとえば食べることでストレスを発散しているという人のうち、「その方法が実際に効果的だ」と答えたのは、たった16%しかいなかったそうだよ

別の実験では不安を感じたり落ち込んだりしたとき、女性はチョコレートを食べることが多いということがわかった

ところがチョコを食べても気分がよくなるどころか、「かえって後ろめたさを感じる」という結果が出ている

ストレスを感じると脳の報酬システムは活性化する

ストレスを感じたとき、脳はとにかく気が晴れるようなことをさせようとする

第2章のメインテーマだった「闘争・逃走本能」で生命を守ろうとするだけでなく、気分も安定させようとするからだ

このとき脳の報酬システムが活性化してドーパミン神経細胞の興奮を高める

「闘争・逃走本能」によってストレスホルモンが発生することは『意志力に反して体が勝手に衝動的になる!?』で説明しているんだけど、このストレスホルモンの働きによっても脳の報酬システムは活性化する

読書家の長尾さん
つまりストレスを感じている状態では、どんな誘惑もやたらと魅力的に感じてしまうってわけだ

第2章で紹介した「心拍変動」──息を吸ったときと吐いたときの心拍数の差──が少ない状態ってことだね

そういえば闘争・逃走本能でストレスを感じているとき、ストレスを感じて交感神経系が活発になるんだったよね

読書家の長尾さん
どうやら第6章の内容は第2章で紹介された生理学的な部分と関連が深いらしい

ストレスを感じるとチョコレートケーキを食べたくなる?

ストレスを受けると脳の報酬システムが活性化するのは、チョコレートケーキに対する反応の調査実験からもわかる

この実験では参加者には過去に何かで失敗したツライ経験を思い出してもらい、その前と後でチョコレートケーキに対する参加者の反応を調べてみたんだ

どの参加者も気分が落ち込んだ状態ではチョコレートケーキがおいしそうに見えたと回答している上に、実験前に「チョコレートケーキは好きではない」と言っていた人たちまでも「気分直しにチョコレートケーキを食べてみよう」という気になったそうなんだ

息抜きのつもりで、とんでもないことをしでかす恐れがある

もうひとつストレスと脳の報酬システムの関連を思わせる調査結果を紹介しよう

ある経済調査で、不安や憂うつとの関係を調べたところ、興味深い結果が得られた

  • お金の心配をしている女性は、不安や憂うつを紛らわせるために買い物をしてしまう
  • 大食いで太りすぎていて恥ずかしいと思いながらも食欲が抑えられない人は、気晴らしにさらに食べまくる
  • のんびりしていたせいで仕事のスケジュールが遅れて焦っている人は、そのことを考えたくないばかりに仕事をさらに先延ばしにしてしまう

いずれの場合も自己コントロールより気晴らしが優先されてしまう結果となっている

読書家の長尾さん
ストレス解消に効果がないどころか、これじゃあ本末転倒だ

意志力の実験:根拠のある方法を実行する

科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略、意志力の実験

今回は「根拠のあるストレス解消方法」を実践してみよう

大半のストレス解消法は役に立たないとしても、なかにはほんとうに効果があるものもあります

効果のある方法とない方法では、おもにどこが違うのでしょうか?

ほんとうに効果のあるストレス解消法は、ドーパミンを放出して報酬を期待させるのではなく、セトロニンやγ(ガンマ)アミノ酪酸などの気分を高揚させる化学物質や、オキシトシンなどの気分をよくするホルモンを活性化させます

また、脳のストレス反応をシャットダウンし、体内のストレスホルモンを減らして治癒反応や弛緩(リラクゼーション)反応を起こします

そのようなストレス解消法を試した場合は、ドーパミンが放出されたときのように興奮したりはしないため、どんなに気分がよくなったか、はっきりとは気づかないことが多いのです

したがって、私たちがそのような効果的なストレス解消法を忘れがちなのは、効果がないからではありません

ストレスを感じているときの脳は、どうすれば気が晴れるかについて正しい判断ができないからです

そのため、確実に気分転換ができる方法を私たちは選ばないことが多いのです

こんどストレスを感じて息抜きをしようと思ったときは「効果的な息抜き方法」を試してみましょう

というわけで、米国心理学会が最も効果的なストレス解消法として例にあげている方法を紹介するよ

  • エクササイズやスポーツをする
  • 礼拝に出席する
  • 読書や音楽を楽しむ
  • 家族や友だちと過ごす
  • マッサージを受ける
  • 外へ出て散歩する
  • 瞑想やヨガを行う
  • クリエイティブな趣味の時間を過ごす など

瞑想・ヨガ・スポーツ・散歩──第2章の記事『意志力を高めるには心拍変動数を大きくしよう』『この2つを「しなければ」意志力を高めることができる』で紹介した意志力を高めるエクササイズがまた出てきたね

読書家の長尾さん
やっぱり第6章の内容は第2章で紹介した生理学的な内容と関連が深そうだ

でもあのときも分からなかったんだけど「礼拝に出席する」──つまり「信仰やスピリチュアル関係の集まりに参加する」のがなぜ意志力を高めてストレスを解消するんだろうね

たぶん瞑想と同じ生理学的な現象が脳内で発生しているんじゃないかとは思うんだけどね

ちなみに米国心理学会が「最も効果が低いストレス解消法」として例にあげている方法は次の通り

  • ギャンブル
  • タバコ
  • お酒
  • やけ食い
  • テレビゲーム
  • インターネット
  • テレビや映画を2時間以上観る など

なるほど確かに脳の報酬システムが働いてドーパミンを出すような方法ばっかりだね

まとめ:根拠のある正しい方法でストレス解消しよう

一般的によくイメージされるストレス解消法のほとんどに意味がないことを知った

脳の報酬システムを刺激してドーパミンを出してしまうような方法でストレス解消しようとするのは間違いだ

読書家の長尾さん
これからは根拠のある正しいストレス解消法を実行するようにしよう

次回予告:死ぬことを想像すると意志が弱い自分になる

次回もストレスと意志力の関連についてなんだけど、サブテーマが「恐怖」となっている

死亡事故を見たら高級車が欲しくなった、悲惨なニュースを見るのをやめたら意志力を高めることができた──そんなエピソードをいくつか紹介するよ

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