速読と勉強法を用いた書籍読書術の実践と本の書評レビュー

読書家の長尾さん

理性が飛ぶのは悪いこと?脳の中のもうひとりの自分を利用する

意志力を高める『スタンフォードの自分を変える教室』実践編 連載

脳の中のもうひとりの自分を利用して意志力を高める

更新日:

そうです 頭の周りで天使と悪魔がささやきあうのは本当です

読書家の長尾さん
実践すれば悪い習慣を捨てて良い習慣が継続できるように「自分を変える」ことができる本、『スタンフォードの自分を変える教室』の内容を実践していく連載、第2回がはじまるよ!

前回の記事『意志力とは何か? 意志力を高めるために鍛えるべき3つの力とは?』で「意志力とは目標達成するために衝動をコントロールする力」ということがわかった

今回は人間の心理・行動を決定する脳の仕組みについて

意志力に大いに影響を与える、脳の各領域の役割について勉強していこう

この連載を読んで僕と一緒に実践して、あなたも自分を変えてみよう

今日のキーワードは自己コントロールに関する脳領域、前頭前皮質

前頭前皮質があなたをコントロールする

前頭前皮質は額と目の後ろに位置する脳の領域

主な役割としては、歩く・走る・手を伸ばす・押すといったような身体の動きをコントロールすること

つまりは自己コントロールの原型みたいなものだね

人間が進化するにつれて、この前頭前皮質は大きくなり、他の領域との連携もよくなった

これにより注意を払う・考える・感じるといった新しいコントロール機能が増え、人間は行動をコントロールできるようになった

いまや人間の脳において前頭前皮質の占める割合は、他の生物に比べて大きくなっているんだ

スタンフォード大学の神経生理学者ロバート・サポルスキーによると、「現代の前頭前皮質の役割は脳にやるべきことをやるように仕向けること」だそうだ

脳というのは、つまり人間に対してということだね

  • ソファでごろごろしているほうがラクなのに → エクササイズをしたくなる
  • デザートを食べたいと思っても → お茶だけで我慢するべき理由を忘れたりしない
  • あのプロジェクトは明日にしようと思っても → ファイルを開いて仕事に取り掛かる
読書家の長尾さん
つまり前回の記事で出てきた「やる力」「やらない力」「望む力」だね

意志力を司る脳の領域

前頭前皮質の各領域とその働き

前頭前皮質はおもに3つの領域に分かれていて、それぞれ各働きを受け持っている

右脳側は「やらない力」、左脳側は「やる力」、そして中央下部が「望む力」を司っているらしい

脳は1つでも「自分」は2人いる

2つの自己のせめぎあい

一方の自己(太古からの本能)が衝動のままに行動して目先の欲求を満たそうとするいっぽう、もう一方の自己(自己コントロールのシステム)は衝動を抑えて欲求の充足を先に延ばし、長期的な目標に従って行動する

ということは、意志力の問題というのはこの2つの自己のあいだを行ったり来たりすること

2つの自己が対立すれば、一方がもう一方をねじ伏せるしかない

読書家の長尾さん
つまり誘惑に対する衝動を抑え込むか、目先の欲求を満たすため衝動的に行動するか、どちらかしかないんだね

とはいっても誘惑に負けてしまうほうの自己が悪いわけじゃない

最も大事なのは何かということについて考え方が異なるだけだ

本能を目標達成に利用する

ここまで本能とか衝動とかが悪者みたいな感じで、自己コントロールのシステムのほうが圧倒的に優れている「自己」のような気がするよね

読書家の長尾さん
原始的な本能のほうは完全になくすべきじゃね?要らなくね?

著者によると、こう考えるのは間違いなんだそうだ

欲望を失えば憂うつになり、恐怖を感じなくなれば危険から身を守れなくなる

脳手術でたまたま本能を司る領域を傷つけられた女性は、生物が本能的にもっている嫌悪感などを感じなくなってしまったそうなんだ

腹一杯まで食べてもまだ食べようとするし、父親や男兄弟に性的な誘惑をするようになってしまったんだとか

だから意志力を強化するには、人間らしい本能を逆手にとって利用する必要があるんだ

読書家の長尾さん
原始的な本能をうまく利用できるようになることこそ、意志力のチャレンジで成功するってことなんだね

マイクロスコープ:もうひとりの自分に名前をつける

各章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題、マイクロスコープのコーナー

今回のマイクロスコープは、自己コントロールシステムに対立する、つまり本能・衝動に従うもうひとりの自分に名前をつけてみること

あなた自身の意志力の問題について、対立する2つの自己のことを考えてみましょう

衝動的な自分な何を望んでいるのでしょうか?

もっと賢い自分は何を望んでいるのでしょうか?

衝動的な自分にあだ名をつけるのが効果的だという人もいます

おかしなあだ名をつけてみると、そういう自分になりかけたときにはっと気づいたり、賢いほうの自分を呼び覚ましたりするのに役立ちます

これはもう名前を決めてある

僕の中の衝動的な自己は「スーダラさん」と呼ぶことにした

植木等さんの「スーダラ節」に出てくる「分かっちゃいるけど~」が口癖なやつだ

最初は「植木等」って名前にしようと思ったんだけど、植木等さんは最初スーダラ節を歌うのに抵抗があったという真面目な性格の人だったという話なので、「スーダラ」のほうに人格をもたせる方向で表現してみた

まとめ:「本能に従う自分」に意識を向けよう

脳の真ん中あたりに原始的ないわゆる「爬虫類脳」があって、そこが本能を司っているというのは以前なにかで見て知っていたんだけど、前頭前皮質について今回詳しく知ることができたのは収穫だった

読書家の長尾さん
衝動的に行動しそうになったときや、行動してしまった際に「あ、またスーダラさんが勝ったなー」と自分を見つめることができるようになったと思う

次回予告:自分を知る方法を学ぼう

次回は自己認識について

自分のしていることを認識して、それを行う理由を理解する能力について勉強していこう

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