自己認識もしないで目標達成しようなんて正気ですか!?
この連載シリーズは、実践すれば悪い習慣を捨てて良い習慣が継続できるように「自分を変える」ことができる本の実践記録だよ
この連載を読んで僕と一緒に実践すれば、あなたも自分を変えることができるかも!
前回の記事『脳の中のもうひとりの自分を利用して意志力を高める』で、脳の中には「本能を司る衝動的な欲求に従う自分」の領域と、「衝動を抑えて自己コントロールをする自分」の領域があるということがわかった
今日のキーワードは自分を知ること、つまり「自己認識」だ
自分自身を理解できるのは人間だけ
人間には自己認識能力──自分のしていることを認識するとともに、それを行う理由が理解できる能力──が備わっている
この能力によって行動を起こす前に自分が何をしそうか予測できるので、よく考えてから行動することも可能だ
ちなみにこのレベルの自己認識は人間にしか見られないそうだ
自己認識なくしては、自己コントロールのシステムなど使い物にならない
意志力が必要な決断をするときには、自分自身でそれをしっかりと認識している必要がある
たとえば「やらない力」でタバコをやめたいと思っている女性を例に考えてみよう
1. まず自分がタバコを吸いたいと思う主観に気づく
どういうときにもっとも吸いたくなるのかを知る必要がある
たとえば外で寒風に吹かれると、ついライターを探してしまう など
2. 今日吸ったら明日も吸う可能性が高くなることにも気づく
吸いたい気持ちに今日も負けてしまったら、たぶん明日も負ける可能性が高くなることにも気づかなければならない
3. 意識的な選択をする必要がある
「タバコを吸わない」という意識的な選択をする必要がある
心理学者なら知っているとおり、人間はほとんどの選択を無意識に行っている
つまり意識的に「○○する」「○○しない」と決断しない限り、人間はいつもと同じ行動・同じ選択を繰り返してしまうんだ
人間はほとんどの選択を無意識に行っている
心理学者でなくても、『人の心を操る催眠術 ブレイン・ハック』の紹介記事を読んでくれた人なら「人は習慣で生きている」「ほとんどの選択を無意識で行っている」ということを思い出せるはずだ
「なぜそうするのか」という理由なんか、ろくに認識してもいなければ、どういう結果を招くのか考えもしていない
この本にも具体的なエピソードが登場しているので紹介しよう
「食べ物に関する決断を一日に何回くらい行っていると思いますか」という質問に対して、回答者が答えた平均は14回だった
ところが実際に記録してみると平均で227回にもなったというんだ
人は気が散っているときほど誘惑に負けやすい
スタンフォード大学経営学部のババ・シヴ教授による研究結果では、誰かの電話番号を思い出そうとしながらデザートを選んでいる学生は、フルーツよりもチョコレートケーキを選ぶ確率が50%も高くなったそうだ
考えごとで頭がいっぱいになっていると、長期的な目標など忘れてしまって、衝動的な選択をしてしまうんだ
そんなふうに考えごとをしながらうわの空で買い物をしている人は店頭販売に引っかかりやすく、買い物リストになかった品物をごっそり買い込んで帰宅するはめになるってわけだね
失敗する瞬間はどんなとき?
意志力の問題に対して自分自身でしっかりと認識していないと、意志力が必要な決断を下せないということがよく分かった
それを頭に入れたうえで、メール依存から脱した女性の例を見てみよう
業務時間中にでもメールをチェックするのがやめられなかったこの女性は、メール依存で仕事の生産性が下がっていることに気づきはじめた
さらに恋人の目の前でもメールチェックがやめられず、恋人の機嫌も損ねていた
最初は「1時間に1回しかメールチェックしない」という目標を立てたそうなんだけど、1週間後には「そんな目標は全然守れなかった」と報告したそうだ
そこでこの女性は、こんどは「メールをチェックしそうになった瞬間を意識する」という目標を立てた
そうすると翌週には携帯に手を伸ばそうとしたり、メールを開こうとしたりしている瞬間に気づくようになったんだ
このおかげで間一髪思いとどまる練習にもなったんだそうだ
こうして自分の衝動とその結果の両方を把握できたおかげで、この女性は以前よりも自分の行動をコントロールできるようになった
それだけじゃなく、最初に立てた「1時間に1回」の目標も達成して、メールは業務時間外にときどきチェックするだけになったそうだよ
意志力の実験:「選択した瞬間」をふり返る
この本で章ごとに出てくる2種類の課題、その1つで前回まで課題として出てきた「マイクロスコープ」では、その章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題が設定されていたよね
今回はもう1つの課題の種類である「意志力の実験」が出てきた
「意志力の実験」では、科学的な研究や理論にもとづいて自己コントロールを強化するための実践的な戦略が紹介されている
意志力を強化するために、すぐに実生活における問題に応用することができるようになっているよ
今回の課題は「選択した瞬間」を振り返ることだ
一日の終わりに「自分がいつ目標を達成するための選択、あるいは妨げてしまう選択をしたのか」を分析してみましょう
つまりさっきのメール依存だった女性が設定しなおした目標と同じだね
自分の選択をふり返って意識することで、いい加減な選択の数が減っていき、それにより意志力は確実にアップするってわけだ
「達成したい目標」と「やるべきこと」のおさらい
僕の場合は「ブログの更新を毎日継続すること」というのがこの連載を通して達成したい目標だ
「やるべきこと」つまり目標を達成するための選択は「記事を書くこと」だね
目標を達成するための選択をしたのはいつ?
「記事を書く!」と選択するのは基本的に家族が寝てしまった夜間になる
日中の仕事を片付けて、家事も済ませて、「さー心おきなく記事に集中するぞ!」という状態になると書ける傾向にある
この連載中は読書ノートにまとめた内容を見ながら書いているので移動中に書くのは難しいけど、ゴールデンウィーク前くらいまでは音声入力で移動中に記事の下書きをしていた
目標の達成を妨げてしまう選択をしたのはいつ?
記事が書けないほどの状態になるのは、主に「限界まで疲れた日」だ
具体的にいくつかあるので、以下に列挙してみよう
- 深夜まで残業しないといけなくなった日
- 日中体力を使い過ぎて疲れきっている日
- 前の夜に睡眠時間が不足して眠くてしかたない日
一時的に手が止まる程度だけど、他には「何かが気になったとき」も目標達成の妨げになる選択をしがちだ
- 思いついたことをメモ代わりにツイートしようとして、そのままタイムラインを読みだしてしまった
- 過去記事で書いたことを確認していたら不必要な範囲まで読み返してしまった
- ふと気になったことがあって調べているうちに気付いたら数時間経過していた
どれも「分かっちゃいるんだけど~」とスーダラさんが出てきたときだね……
(スーダラさんについては前回の記事『脳の中のもうひとりの自分を利用して意志力を高める』を参照)
うーん、こうして一覧してみるとポイントは「気力・体力の管理」と「記事を書いている最中に途中で手を止めないこと」の2つになるのかな
書いてる最中に何か気になったときは手を止めずに「あとで調べるメモ」みたいなものに書いておくといいかもしれない
ここんとこは後日、集中力に関する本を読んだりして補完する必要があるかも
メンタリストDaiGo氏の自分を操る超集中力の図解版を買ってこようかな
問題は「限界まで疲れた日」がどうしても発生することだなぁ
ひと眠りすれば動けるようになるんだけど、そうするとやっぱり早朝に起きる生活に変えなきゃいけないかな
早朝に翌日の公開分をあらかた書いてしまって夜は仕上げだけにするとか?
まあ実際に動くのは来週からにして、今週はもう少し失敗した瞬間を意識してみよう
日中業務の休憩中に、読書猿さんの問題解決大全を使って解決法を見つけるのもいいかもしれない
まとめ:意志力の話とPDCAは共通していた
自分の衝動と、衝動にしたがって行動した結果がどうなるかをしっかり認識できないまま、目標だけ立てたって達成できっこないということがよくわかった
でも今回の記事を振り返ってみると、これって結局PDCAなんじゃないかな
↓
Do:やってみる
↓
Check:できたか確認
↓
Action:失敗した原因を分析
↓
Plan':改善のために目標を再設定
ってことだよね?
次回予告:5分で意志力を最大限に引き出す!
次回は5分で意志力を最大限に引き出すテクニックについて
さらに目標から離れかけている自分に気づいて軌道修正するための考え方を習得しよう
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