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ネットで「女性」に売る

ビジネス・経済 書評

オッサンでも女性向け商品を売れる秘密をついに発見? 『ネットで「女性」に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則』(セールスコピーライター 谷本理恵子)

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もしあなたが女性をメインターゲットにした商品を販売しようとしているなら……この記事にはきっと興味を持ってもらえるでしょう

世の中の商品やサービスの8割以上が女性を対象にしていると言われている

化粧品などの女性だけが使う商品だけでなく、家族で使う生活用品であっても女性に購入決定権があるのは、なんとなくイメージがつくよね

百貨店やデパートの中で、女性向けの売り場の面積と男性向けの売り場の面積の差を思い浮かべれば、いかに女性を対象にした商品・サービスが多いかということがよくわかる

つまり、女性をターゲットにして売るコツが分かれば、大抵どんな商品でも売れるってことなんだけど……

男性でも女性に売れるか

世の中には、女性向けの商品を販売して稼いでいる男性マーケッターがたくさんいる

だから男性でも女性に売ることは不可能ではないんだけど、やってみるとこれが難しい

上記の書評で紹介したような顧客アンケートを実施した際、男性であれば客観的な答えが返ってくることが多いので、商品説明文でアピールする内容に反映しやすい

「○○の機能があるから」とか、「他社に比べてここが優れているから」とか、「こういう悩みが解決できるから」といった感じだね

一方、女性の場合は割と主観的で「他商品・他サービスとの違い」を明確にしにくい答えが返ってくることがあり、「これだ!」という決め手を見つけるまで時間がかかることもある

「色が好き」「見た目がカワイイ」、挙げ句の果てには「なんとなく」

男性に対しては「勝ちパターン」を見つけやすいのに対し、女性は「こういうのが女性の好み」というものが存在しない……というより、好みのパターンが多岐に渡り、その時々の流行や世代によっても変わってしまうんだ

ここで男性に質問

  • 口紅ってどれくらい色の種類があるかイメージできる?
  • 女性がイメージするピンクと男性がイメージするピンクの違い、分かる?
  • なぜ日本人女性向けのCMなのに、金髪の外国人女性モデルが多く起用されるか知ってる?

ちなみに、僕はこの本を読むまでは全部わかってなかったけどね(笑)

いやー本当に勉強になる本だよ

なぜ女性にも決め手が分からないのか

著者によると、多くの女性は「どうして買ったのか」と決め手を聞かれても「なんとなく」としか答えられないらしい

その理由は、女性は自分目線での”満足”を重視する、つまり”自己満足”を追求するからなんだ

たとえば、男性向けの商品サービスでよくある「勝ちたい」や「モテたい」の欲求を刺激する手法は、女性向け商品ではあまり響かない

もちろん、女性だってモテたくないわけではないけれど、”モテるために積極的に努力する”というより”自分が心地よく満たされることで、結果的にモテるだろう”という程度にしか考えていないそうだ

だから、購入した決め手を聞かれても”自己満足”のためなので、主観的な答えしか返すことができないんだ

いつだったか、ネットで見た「男性に見せるためにネイルとかオシャレするんじゃなくて、カワイイものを身につけて自分の気分をあげたり、女性同士のコミュニケーションの話題にするため」といった意見がまさにそれなんだと思う

女性はそもそも悩んでない

以前も書いたと思うけど、セールスライティングの世界では神田正則氏の”PASONAの法則”のように悩みを解決する方法として商品やサービスをアピールすることが多い

しかし著者によると、なんと「女性はそもそも悩んでない」というんだ

たとえば、すでに普通サイズの洋服が入らないほど太っていても「ちょっとぽっちゃりしてきたけど、みんなは私のことをそこまで太っているとは思っていないはず」「ちょっと頑張ればすぐに痩せるし問題ない」くらいにしか感じていないそうだ

だから、”すごく悩んでいる”という前提に立って書かれた商品説明文では、響かないどころか醜い現実を突きつけられて拒否反応を起こし、目を背けてしまうってことなんだよね

本当の現実は見えていないし、見たくもないのが女性なんだそうだ

こういうのを男性の著者が書くと色々と言われそうなんだけど、やはり著者自身女性ということもあって説得力が高い

もちろん、実際に著者が購入者にインタビューした結果に基づいて書かれているから説得力もなにも”事実”なワケだけど

女性には”解決法”ではなく”魔法”を売る

ここまで読んで「悩んでもないし自己満足が購入の決め手なら、女性向けにマーケティングなんかしようがない」と思ったりしてない?

大丈夫、ある1つの考え方をするだけで、女性が思わず買ってしまう”魔法”を提供することができるようになるんだ

悩んでないとはいっても、女性だって馬鹿じゃないから「何かがおかしい」という漠然とした違和感はある

しかしそれは現実的に直面している”問題”ではなくて、”お城に住んでいるお姫様”のような漠然とした理想で思い描いた”本来の自分とのギャップ”なんだ

だからその”本来の自分”に一瞬で戻れる”魔法”が提供されると、買わずにいられなくなって衝動買いしてしまうってわけだ

ちなみにこの本のすごいところは、女性の購買心理だけでなく、以前紹介したウェブセールスライティング習得ハンドブックに載っているようなライティングの基礎知識や、ページデザインについても触れられているところ

もしあなたが女性をメインターゲットにした商品を販売していて、右も左も分からない状態なら、これ一冊買っておけば女性心理に加えて、基礎的なことが一通り学ぶことができる良書だよ

次回予告

次回はちょっと最近気になってるキーワード”ストック型ビジネス”について書かれた電子書籍をご紹介

ストック型ビジネスって一体なんなのか、といったところを勉強したいと思ってるよ

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