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読書家の長尾さん

たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座 実践編 連載

田丸雅智の『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』実践編 ─ 4.ショートショート小説のあらすじを考える

更新日:

田丸雅智氏の『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』を実践してショートショート小説を作ってみる連載

前回作った設定を使って、ショートショート小説のあらすじを考えてみよう

前回のおさらい

前々回で作った超ショートショート小説がこちら

題名:願いをかなえる像

路地裏で出会った占い師は、どんな願望・欲望も叶える像を持っていて、1つだけ願いをかなえるまで貸してくれるという

ただし1つ願いを叶えたら必ず返しに来ること

この条件を破ると取り返しのつかない代償を支払うことになる

実はその占い師は死霊使いで、欲の深そうな人間が近くを通りかかると住処の路地裏へ誘い込む

そしてあの手この手で契約を破らせるよう工作し、代償として魂と肉体を奪うのが目的なのだ

そして前回作った設定がこちら

主人公は?
酔っ払い
その他の登場人物は?
死霊使い
どこで起こった?
路地裏
いつ起こった?

ショートショート小説のあらすじ

この本によると、とにかく「それからどうなる?」という質問を繰り返していくことであらすじを作ることができるそうだ

とにかく難しいことは考えず、まずは思うまま書き連ねてみることにする

各行の間に「それからどうなる?」という質問が入っていると考えてほしい

あらすじを考えながら、必要に応じて前回考えた設定に登場人物を追加している

題名:願いをかなえる像

馴染みの店に勤めるホステスに入れあげている主人公

しかしそのホステスが別の客にアフターに誘い出されているのを目の当たりにしてしまう

最後にあおった強めのヤケ酒で泥酔し、路地裏に入り込む主人公

路地裏で1人の占い師に出会う

酔った勢いでホステスとの仲を占ってもらおうとする

血のように鈍く輝く紅い石を彫って造られた、手に握り込めるほど小さな像のペンダントを差し出される

牛か羊のような角がある動物をベースに人面と爬虫類を組み合わせたような禍々しい像だ

これを強く握りしめて願えばどんな欲望でも叶えられると言われる

像の代金は要らないが、ひとつ願いを叶えたら必ず返しにくること
契約を破れば代償を支払ってもらうと言われる

いぶかしげに思いながらも、像を首にかけて路地裏を出る主人公

ちょうどそこへアフターに出たホステスと相手の男が、朝までやっている路地裏の店に入っていくのを見かける

思わず後を追って入店してしまう主人公

相手の男と親しげに話しているホステスを見て嫉妬する主人公

その場でペンダントを取り出し、強く握りしめる

とつぜんホステスと相手の男が揉めだし、男が店を出ていってしまう

ここぞとばかりにホステスに声をかける主人公

二人で閉店まで飲み明かした

別の日にまた路地裏の店に現れた主人公

あれからたびたびこの店で待ち合わせてホステスとアフターデートに出ているが、懐事情が厳しくなってきたと店主に語る

胸には紅く輝くあの像がまだぶら下がっていた

遅れてホステスがやって来て、翌日ホステスの勤める店で開かれる誕生日イベントに必ず来るよう別れ際に念を押される主人公

その日の別れ際、ついに像を握りしめて願う主人公

突然周囲に動く骸骨が現れ拘束される

占い師が目の前に現れ、像に願うのは一度だけという契約に違反した主人公を責める

待ってくれと嘆願する主人公

無言で薄笑みを浮かべる占い師

突然占い師の背後に現れる巨大な死霊

絶叫する主人公にどんどん迫る死霊の腕

魂を引き剥がされる主人公

引き剥がした魂を喰らい巨大な死霊は闇へと消えていった

残った骸は骸骨がどこかへと引きずっていった

あらすじの解説

まず主人公である酔っ払いの欲望や願望の対象が必要だった

ぱっと思いつく欲望・願望の対象でパッと思いつくのがセックスと金だ

酔っ払い+セックス+金で連想した結果、酔っ払いが入れあげているホステスを登場させることにした

そして超ショートショートでは言及しなかった、”死霊に取り込まれてしまった死霊使いが主人のために魂を狩り集めている”という設定を追加することにした

願いをかなえる像は、死霊使いの発想の元になったカーバンクルの額にある赤い宝玉をモチーフにした石を彫刻したものとした

あらすじを考えるうちに、ショートショート小説にするうえで像のディテールも考えておいたほうがいいだろうと思った

今回の酔っ払いの欲望は色欲が中心になっているので、像のモチーフは色欲と関連付けられた悪魔『アスモデウス』を参考に描くことにした

さてさて……これではたしてどんなショートショート小説にしあがるのか楽しみだね

次回予告

というわけで次回ついにこの連載も最終回

いよいよショートショート小説を書き上げてしまおう

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