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「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法

ビジネス・経済 書評

消費者調査をしたいけど、どうやって始めたらいいか分からないあなたへ『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法―チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(販促コンサルタント 岡本達彦)

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反応がとれる広告をつくるのは簡単です 驚くほど簡単なのです

昨日紹介した嶋田亘克氏の『ディズニーのすごい集客』では、商品やサービスが提供する”価値”の重要性が分かった

でも、自社の商品やサービスが消費者に提供できる”価値”っていったい何なのか、明言できる人は多くないと思うんだよね

そこで今回は販促コンサルタント岡本達彦氏の『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』を紹介したい

これさえ読めば、お客様から自社の商品やサービスの”価値”を聞き出して、反応がとれる広告へと反映する方法までを一冊で知ることができるよ

思い込みで作っているから売れない

売れる広告と売れない広告の差は、お客様の気持ちをよく理解し、チラシ・DM・ホームページに反映できているかできていないかの差だと著者は言う

大抵の売れない理由は単純で、「○○は売れるだろう」「○○だからどうせ売れない」という思い込みで作っているからだ

昨日の記事でも言ったけど、お客様の購買理由は解析データには表れない

だから、実際に購入者に購入した理由を聞いてみると、データから予測していた動機とは全く違う予想外な理由が出てくることは少なくない

ペルソナ(顧客モデル)を定めてマーケティングする手法は有効だし僕もよくやるけど、データだけで作成したペルソナはあくまで”初期仮説”であることを理解していないと、とんでもない勘違いをしたままマーケティングが進んでいくことになる

お客様から購入プロセスを直接聞き取ることは、データで見えない売れる秘訣をお客様から教えてもらうのと同じことなんだ

”価値”=”自社の強み”はお客様の購入プロセス、つまりお客様目線を知ることによって初めてわかるんだよ

”A4”1枚アンケートは10分程度でお客様に書いてもらえるサイズ

著者の提唱するアンケートのフォーマットは、お客様が購入をしようと考えてから実際に購入した後までの5つの心理段階に合わせて、お客様の購入プロセスと同じ順番で構成されている

あまりに回答項目が多いとお客様もこちらも億劫になるけれど、10分程度で書ける5つの質問にまとめられているので回答してもらいやすい

著者の経験則では、100人ぐらいのお客様にアンケートをとると共通するキーワードや、自分のお店・自分の会社がターゲットとすべきお客様が見えてきて、自社の強みがはっきりとわかってくるらしい

アンケートでは7〜8割が雑多な意見なので、アンケートから最も多かった言葉を抽出してまとめることで分析することができる

具体的な分析手順や見るべきポイントは、本の中に具体的に分かりやすく書いてあるので、アンケートを実施した後で参考になると思う

アンケートから宣伝に反映する手法まで掲載されている

アンケートから抽出した言葉を自社の”強み・価値”として広告・DM・ホームページでアピールすることで、その価値を求めている他のお客様に響くってわけだ

その際、アンケートのどの項目を宣伝媒体のどこに反映するかまで書かれているので、マーケティングに携わる人間であれば確実に読んでおくべき一冊だね

特にマーケッターが「やったほうがいいのは分かってるけど、どうやって……」と途方に暮れてしまうリサーチの部分の具体的な解説になるので、これを知っているのと知らないのとでは今後大きく売り上げに差が出る知識なのは間違いない

3秒で見返す! 本書のポイント

  1. 思い込みで広告を作っているから売れない
  2. 「A4」1枚は10分程度でお客様に書いてもらえるサイズ
  3. 100人ぐらいのお客様にアンケートをとるとターゲットとすべきお客様・自社の強みが見えてくる

1分でわかる! 本書の要約

  1. 「売れる広告」と「売れない広告」の差は、お客様の気持ち(悩み・欲求・不安など)をよく理解し、チラシ・DM・ホームページに反映できているか、できていないかの差
  2. 「○○は売れるだろう」「どうせ○○だから売れない」という思い込みで作っているから売れない
  3. お客様から購入プロセスを直接聞き取ることは、売れる秘訣をお客様から教えてもらうのと同じこと
  4. 自社の強みは、お客様の購入プロセス つまりお客様目線を知ることによって初めてわかるもの
  5. 「A4」1枚アンケートは10分程度でお客様に書いてもらえるサイズ
  6. お客様が購入をしようと考えてから、実際に購入した後までの5つの心理段階に合わせて、お客様の購入プロセスと同じ順番で構成されている
  7. 自分の強みとして表現する際に、最も多いキーワードやリアルな言葉を拾う
  8. 100人ぐらいのお客様にアンケートを取ると共通するキーワードや自分のお店・自分の会社がターゲットとすべきお客様が見えてきて、自社の強みがハッキリとわかってくる
  9. お客様の分析は全体の2割から行う(7〜8割は雑多な意見)

次回予告

「うん、消費者アンケートは最強のリサーチだな」

というのが分かってもらえた人の中でも、少し心に引っかかるものがある人もいると思う

「でもうちはアンケートする予算も、それを活かして広告を出す予算もとれないからなぁ……」と悩んでいるんだよね?

そこで次回、今回の本の著者である岡本氏の本をもう1冊紹介したいと思う

今度はお客様の声をSNSなどの無料でできる販促に活用する方法が掲載されているよ

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