正直に言って、今までマンガって”筋”だけ追う読み方をしてて、画ってのは添え物の演出程度にしか考えていなかった
ところが、ふと思い立ってマンガの読書ノートを書いてみたら「マンガってすごいな!」とつくづく感心してしまった
今回は、マンガの読書ノートを書いてみて気付いたこと、感じたことを語っていきたい
題材は『起動戦士ガンダム サンダーボルト』
マンガの読書ノートを書くことになったきっかけは、起動戦士ガンダム サンダーボルト 11巻を買ってきたことから
しばらく読んでなかったので、ここまでの流れがうろ覚えになってしまってて、もういちど最初から読み直そうと思ったんだよね
どうせなら何かブログのネタになるような読み方をしたいなーと思いついたんだ
そこで前回やった星新一のショートショート小説を分解する延長で、マンガで同じことをやったらどうなるか実験してみたってわけ
第1話のキーワードだけでA4を埋め尽くす情報量
第1話は世界観や設定の基盤が一通り語られる回になっているんだけど、この情報量がすごい
セリフ中に登場したキーワードや登場人物を書き出していくだけでA4ノート1ページのうち半分を埋めつくし、バラバラに書き出した情報を整理したりネットで補完した情報を書き込んでいくと、もう半分も埋まってしまった
たった32ページにこれだけの情報を詰め込んで伝えるというのは、マンガだからこそできる表現だと思う
あらすじをなぞって表現するだけなら小説でも同じくらいの表現はできると思うけど、例えばモビルスーツのデザインから何から全部テキストで説明していて32ページに収まるだろうか
設定・設計の細かい部分に目が届く
読書ノートを書いてみて気付いたのは、作者である太田垣康男氏の設定・設計がものすごく丁寧で細かいこと
第1話だけ見ても、モビルスーツをサンダーボルト宙域という危険な舞台で運用するためにどんな機能を持たせればいいか、持っているべきかが考え抜かれている
読み解いていくほどに、「これがプロの仕事か」というのをまざまざと見せつけられた気分だった
もちろんある程度の長期連載を想定した大作として描き始められていると思うので、ここまで詳細に設計されているんだとは思う
まず特徴的なのがムーア同胞団のモビルスーツが装備しているサブアームにつけた2枚のシールド
第1話で出撃命令が出たジオンスナイパーの排除作戦では、1km3中の残骸密度40%というデブリの暗礁宙域を高速で敵スナイパーに接近する必要があるため、どうしても破片にぶつかってしまう
それらを100%回避することは不可能なため、シールドで機体を守りながら進んでいくための装備だ
実際に作中でもシールドにデブリが激突してボコボコになっているのが描かれている
でもこれらの描写も”筋”だけ追う読み方だと完全に読み飛ばしていたんだよね
モビルスーツがシールド2枚をサブアームで保持しているのや、大型のランドセルバックパックを装備しているのも「そういう機体」としか見ていなかったし、機体の各部にアポジモーター(姿勢制御装置)が増設されているのなんてまったく気付いていなかった
読書ノートは実用書だけのものじゃない
今まで読書ノートは実用書の復習に使うためのものだとばかり考えていたけど、マンガをはじめ読み物を深く味わうためにも使えることがわかった
今後いろいろなフィクション作品を読書ノートで分解していくことになるだろう
というかそもそもサンダーボルトを深く考察するのが楽しくなってきてしまった
近いうちにサンダーボルト考察サイトを立ち上げて、読み解いた内容を書き溜めていきたいと考えている
次回予告
実は僕って絵心というものが限りなくゼロに近い壊滅的なレベルなんだよね
でもなんかカンタンなイラストでいいので描けるようになってると色々と便利だよなぁ
と考えていたところで良い本に巡り合ったので、次回はその書評を書こうと思う
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