ちょっとだけ想像してみてください
今日から10週間後、あなたが潜在能力を”確実”に引き出して活躍しているところを
この本を実践することで、悪い習慣を捨てて良い習慣が継続できるように「自分を変える」ことができるんだ
なぜならこの本には、スタンフォード大学の超人気講義の内容が書かれているからね
- これまで抽象的な概念として見られていた「意志力」についての考え方を根本的に変えた
- 受講者の「行動」を次々に激変させた
つまり効果は実証済みってこと!
前回の記事で紹介したとおり、この本は誘惑や依存症に苦しんだり、物事を先延ばしにしたり、やる気が出なかったりして困った経験のある人──つまりすべての人──に向けて書かれた本だ
この本の内容について、3つの特徴をご紹介しよう
- 悪い習慣を捨てて健康的な良い習慣を身につける方法を知る
- ぐずぐず先延ばししないようになる方法
- 誘惑に打ち勝つ強さを身につける
この本は何百人もの受講生のフィードバックを結集して、抽象的な理論を日常生活に役立つルールに落とし込んだ、「もっとも優れた科学的な見解」と「実践的なエクササイズ」の融合なんだ
だからこの連載を読んで僕と一緒に実践していけば、あなたも「自分を変える」ことができるようになるよ!
それじゃあまずは、この本の中心的なキーワードである「意志力」とは何かを知ることから始めようか
意志力とは何か?
意志力って一体なんだろう?
「意志の力」を指していることはわかる
じゃあ「意志」とは何だ?
まずこの言葉の定義から始めていこう
意志とは何か?
コトバンクの「意志」のページで各辞典を検索してみる
小学館 デジタル大辞泉の解説
1 あることを行いたい、または行いたくないという考え。意向。
2 目的や計画を選択し、それを実現しようとする精神の働き。
3 哲学で、個人あるいは集団の行動を意識的に決定する能力。広義には、欲望も含まれる。倫理学的には、道徳的判断の主体あるいは原因となるものをいい、衝動と対立する。
平凡社 百科事典マイペディアの解説
一般に、自発的・選択的な行動を引き起こしたり持続させたりする心的能力。〈意欲〉もほぼ同義。
三省堂 大辞林 第三版の解説
1 考え。意向。
2 物事をなしとげようとする積極的なこころざし。
3 〘哲・倫〙 ある目的を実現するために自発的で意識的な行動を生起させる内的意欲。道徳的価値評価の原因ともなる。
4 〘心〙 生活体が示す目的的行動を生起させ、それを統制する心的過程。反射的・本能的な行動とは区別される。
- 何かしよう、またはしないでおこうという「人間の行動」に関する考え・意欲・意向を指す言葉
- 目的・計画を実現しようとする精神の働き
- 哲学的には道徳的な価値評価の原因となり、衝動と対立する
そして『三省堂 大辞林 第三版の解説』の2で出てきた「衝動」というキーワードもこの本の中で重点的に取り扱われている言葉だ
意志と対立する衝動とは何か?
同じようにコトバンクの「衝動」のページを見てみよう
小学館 デジタル大辞泉の解説
1 外から強い力や刺激を受けて心を動かすこと。
2 動作または行為を行おうとする抑えにくい内部的な欲求。目的が完遂することによって消滅する。
三省堂 大辞林 第三版の解説
1 強く心をつき動かすこと。また、そのように働きかける力。ショック。
2 よく考えないで、発作的・本能的に行動しようとする心の動き。
小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
精神分析の用語。身体内部に由来し、精神のなかに到達する興奮の心的表象のことをいう。欲動ともいう。
衝動は要求、欲望、動因などと類似の概念で、一般心理学でいう動機のことであるが、精神分析ではとくに衝動という概念が使われる。
日本の文献では本能とよばれることもあるが、衝動は能力概念としての本能の意味ではないし、生物的本能のように固定的なものでもない。
- 外部から力や刺激を受けて心を動かすこと
- 発作的・本能的に行動しようとする身体の内部的な欲求
あともうひとつ気を付けたいのは「衝動」と「本能」は同じ意味の言葉じゃないということ
「本能」は精神分析の用語でリビドーという「衝動の原動力となるエネルギー」のことなんだね
つまり意志力とは何だ?
意志と衝動、この2つのキーワードをしっかりと定義したところ、意志力とは何かが見えてきた
つまり意志力とは「衝動をコントロールするための力」ってことなんだ
「本能によって突き動かされる衝動」に流されずに生き抜く、「行動に対する意欲・意志・意向の力」が「意志力」ってわけだね
意志力はさらに「3つの力」に分けられる
この本で「意志力が試される典型的なケース」として紹介されている「3つの意志力」について紹介しよう
- 「やる力」
- 「やらない力」
- 「望む力」
それぞれ本の中で具体例が挙げられているので見てみようか
面倒だなと思いながらも「やる力」
「やる力」は、面倒だなーと思いながらも自分のやるべきことをやる力のこと
やろうと思いながら先延ばしにしてしまうことって、よくあるよね
ってなるのを「やろう!」と行動するための力だ
さまざまな誘惑に対する「やらない力」
ドーナツやチョコレートといった甘いお菓子、タバコ、クリアランスセール、そして一夜限りの恋……
というものが人間いくつもあって当たり前
ちなみに仏教の浄土真宗では「本能とか衝動とか完全に消すのムリじゃね?」「ムリと認めたうえで善く生きようぜ」というのが教えの中心になっている
そして文化庁の調査によると、信者数がダントツ1位の宗派だ(本願寺派と大谷派を分けてもツートップになるくらい)
このあたり仏教というのは非常に哲学的でおもしろいから好きだなぁ
仏教って宗教じゃなくて哲学の学派だと思うよ
おっと……まあこの辺の話はまたそのうち仏教をテーマに書くことにしよう
自制心を発揮するための「望む力」
先の2つの力は意志のうち「行動に関する考え・意欲・意向」に該当するものだったね
3つ目の力は「目的・計画を実現しようとする精神の働き」に該当する「望む力」
肝心なときに自分にとって大事なモチベーションを思い出すための力なんだ
- ダイエットしてスキニージーンズを穿けるようになるために
- 昇進するために
- クレジットローン地獄から抜け出すために
- 離婚(もしくは刑務所入り)を避けるために
と丹下のおっさんの声が聞こえてきそうだ(たぶんこんな言い回しは1回もしてない)
本能に流されずに生き抜け!
本能というのは生物が生まれつき備えていて、誰に教わらなくてもできる能力や行動傾向のことだ
この古代から遺伝と進化によって脈々と受け継がれてきた本能のせいで、人生の大ピンチを迎える可能性はいくらでもある
そもそも生物が生きる理由は「子孫を残し、種族を存続させること」だと言われている
そのために生きていくうえで重要なことは、ごくわずかだった
- 食べること
- 繁殖すること
- 外敵から身を守ること
現在でも大半の動植物を始めとする生物がこの本能にしたがって行動し、進化している
ところが人類がアウストラロピテクス(猿人)からホモサピエンス(新人)になり、共同体で生きていくためにこれらの本能を抑えなければいけないシーンが出てきた
仲間の分の食べ物を勝手に食べたり、仲間のパートナーと茂みの影でお楽しみに耽るなんてことを本能のままにやらかしてしまえば、たちまち「社会」すなわち「群れ」から追い出されてしまうだろう
集団に属して協力し合い、長期的な関係を維持するために、原始人が必要に迫られて獲得した自己コントロールの方法、それが「意志力」という能力だ
いかにも人間らしい「衝動をコントロールするための力」なんだね
ゲス不倫に見る「衝動」と「意志」
「他人のパートナーとお楽しみに耽る」行為、つまり不倫は洋の東西を問わずビッグニュースだ
さっきの話を踏まえて考えてみると、不倫騒動のスキャンダルが大きな話題となるのも人間の「共同体を存続させるための自己コントロール」に反するためなんじゃないかな
不倫ではないけれど、共同体を存続させるための自己コントロールに反してしまった例の中にはテッド・ハガードというキリスト教の牧師のようなぶっとんだ例もある
同性愛者を非難しながら自分はゲイ男性と買春、つまり金を払ってまで同性セックスしていたというから驚きだ
この本でもセックススキャンダルの例として最初に名前が挙がっているあたり、アメリカではよほどセンセーショナルな話題だったんだろうね
生活を改善したいのなら意志力の問題から始めてみよう
意志力の強い人、つまり注意力や感情・行動をうまくコントロールできる人は、いろいろな点で優れているそうだ
- 健康で幸せ
- パートナーとの関係も良好で長続き
- 収入も高く出世する
- ストレスや争いごとがあってもうまく乗り切り、逆境にもめげない
- 寿命も長い
「さまざまな長所と比較しても、意志力に勝るものはないほどだ」と著者は言う
- 学業で成功するかどうかは知力よりも意志力次第
- すぐれたリーダーシップを発揮できるかどうかも、カリスマ性より意志力が決め手
- 結婚がうまくいくかどうかも、思いやりよりも意志力にかかっている
だから生活を改善したいのなら、意志力の問題から始めてみるのは悪くないってことなんだね
マイクロスコープ:できない理由を特定する
理論がいくら優れていようと事実(データ)に勝るものではない
この本の内容を生活のなかで試してみる、つまり実践が重要なんだ
それを通して自分はどの方法が適していて、どれが効果的なのかを発見することができる
もちろん場合によっては「実践した結果、自分には適していない方法であることが分かった」という結果になることもある
でもそれは失敗じゃない
発明王トーマス・エジソンは「失敗なんかしちゃいない。 うまくいかない方法を七百通り見つけただけだ。」という名言を残している
本の内容で自分に適していない方法がわかるというのは確実に目標に向かって前進しているんだ
そして内容を実践するために、この本では章ごとに2種類の課題が設定されている
そのうちの1つが「マイクロスコープ(顕微鏡)」と名付けられた課題だ
マイクロスコープでは、その章で説明するポイントが自分の生活にも当てはまることに気づくための課題が設定されている
今回の課題は「できない理由を特定する」こと
あなた自身が改善したいと思っている、具体的な意志力の問題に直面している場面を想像しましょう
その場合、あなたのやるべきことは何でしょうか?
それを行うのはなぜ難しいのでしょう?
それを行うことを考えると、どんな気持ちになりますか?
なので今回は「ブログの更新を毎日継続する」を改善したい問題として設定しよう
- 改善したいと思っている具体的な意志力の問題
- ブログの更新を毎日継続することができない
- その場合やるべきこと
- 記事を書くこと
- それを行うのはなぜ難しいのか
- 前日寝不足だったり深夜まで残業で限界まで疲れている
- それを行うことを考えると、どんな気持ち?
- ワクワクするし意欲的な気持ちになる(意外にも)
別にブログの記事を更新するのが面倒だとかイヤってワケじゃないんだよ
じゃあなんで習慣として継続できないのか?
こうして考えてみると「やりたくてもできない」状態になっていたんだ
要するに「今日はしんどいもう無理」っていう体調になってたんだな
ということは結局のところ前の連載『読書の力で”時間を自分の思うとおりにできない”問題を解決する』で出た結論のように、空いた時間を上手く使って細切れにやるしかないのかな?
まとめ:意志力とは目標達成するために衝動をコントロールする力
スタンフォードの自分を変える教室、ここまで読み進めることで「意志力とは何か?」という疑問はすっかり理解できた
次回予告:脳の役割と意志力の仕組みを知ろう
さて次回は人間の心理・行動を決定する脳の仕組みについて
意志力に大いに影響を与える、脳の各領域の役割について勉強していくよ
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